なるみ庵
和漢朗詠集は端午の項に入り、菅原道真公の漢詩です。
有時当戸苑身立 無意故園任脚行
詩題「懸艾人(よもぎの人を懸く)」
端午の節句に、
魔除けとしてヨモギを人形(ひとがた)に結んで門戸に吊るす「艾人(がいじん)」の風習がありました。この詩は、門に掛けられた艾人の姿と、当てもなく歩く自らの姿を重ね合わせるように詠んでいます。
私には、その艾人は、都を離れた道真公自身の姿を映しているように思えます。

京焼・清水焼や乾山の写し等の向付・小鉢・茶碗・大皿等、御料理に応じた食器を手作りで製造し窯元より直送にて販売しています。

なるみ庵
和漢朗詠集は端午の項に入り、菅原道真公の漢詩です。
有時当戸苑身立 無意故園任脚行
詩題「懸艾人(よもぎの人を懸く)」
端午の節句に、
魔除けとしてヨモギを人形(ひとがた)に結んで門戸に吊るす「艾人(がいじん)」の風習がありました。この詩は、門に掛けられた艾人の姿と、当てもなく歩く自らの姿を重ね合わせるように詠んでいます。
私には、その艾人は、都を離れた道真公自身の姿を映しているように思えます。

なるみ庵
お昼からデザイナーOさん来訪。
水間焼伏原窯しおりの原案を持って来てくださいました。

元のしおりのサイズ感を残したまま四つ折りで仕上げてあります。名刺代わりにもなる優れものです。
陶主の詩をのせ、裏面には春夏秋冬の作品を配置。
伏原窯の世界観を案内する、素敵なしおりに仕上げていただきました。
山の仕事場も30度を超すようになり、エアコンを入れました。
少し早いですが梅の土用干をしました。
ほんの少し外に出るだけで、汗が噴き出ます。

今年は赤紫蘇を頂いたので紫蘇梅にしたのですが、色ムラが大きく、例年とは少し違う表情です。毎年同じように漬けていても、少しずつ違いがあるものですね。
仕事は、陶主が貝合わせ向付の制作。森本は青もみじ紋平向の絵付です。
なるみ庵
粘葉本和漢朗詠集 習字のお稽古「夏夜」其の二

難都乃与能布数可東須麗波本度
ゝ機数那久悲登許恵耳阿具留志乃ゝ免
なつのよのふすかとすればほと
ゝぎすなくひとこゑにあくるしのゝめ
横になったかと思えば、ホトトギスがひと声なき、空が明けてくる。
「夏の夜は短い」という歌のテーマに合わせて、のんびりした文字ではなく、一気呵成に読ませる文字に惹かれました。
なるみ庵
粘葉本和漢朗詠集 習字のお稽古「夏夜」

白居易の二つの詩を書きました。
風吹枯木晴天雨 月照平沙夏夜霜風が古木を吹き、晴れた空なのに雨のように聞こえる。 月は砂浜を照らし、夏の夜なのに霜のように感じられる。
風生竹夜窓間臥 月照松時台上行竹を渡る風の音を聞きながら窓辺に横たわり、 月に照らされた松を眺める。
先の詩は、白居易が杭州で涼を求めて楼閣に上った時の一節だそうです。 風の音や月の光を、雨や霜にたとえた表現がとても美しく感じました。
昼から、陶芸クラブのYさんがM氏と来訪する。M氏は陶主の作務衣を作ってくれており、採寸の為に合わせに来られた。
生地は大島。袖は少し短めで、裾はゴムを入れる予定。出来上がりが楽しみです。その後は先日作った箸置に絵付をする。
Yさんは先月からの続きの合子、形が整ってきました。
仕事場は施釉と釉薬の直しです。
明日は村の草刈りがあり、その後窯詰めの予定です。無事に進めば晩に火入れです。

なるみ庵
今日はお昼からデザイナーOさんとの打ち合わせでした。
伏原窯の栞がなくなってきたので新調することになっていました。

昨年の一月から、Oさんに伏原窯のデザインを手掛けていただき、この一年、本当に密度の濃い時間を過ごしてきました。
今日は、改めてチーム伏原で伏原窯の流れを見つめ直し、イメージを整える打ち合わせとなりました。
大阪の窯元の提案について
暮らしのなかにある器
それを普通が一番という
Oさん曰く「ここが一番難しい、禅問答のような世界」だと。
話を積み上げ、イメージを練り、来月は二種類のリーフレットを進めることになりました。
沢山の人が関わり、少しずつ形になってきました。
粘葉本和漢朗詠集
首夏から
わがやどのかきねやはるをへだつらん
なつきにけりとみゆるうのはな
源順(したごう)

咲き誇る卯の花の白さを「春と夏を分ける境界」に見立てた、季節の移り変わりを愛でる美しい歌です。
実家に、陶芸クラブのYさんからお分けいただいたウツギ(卯の花)があります。春になると愛らしい花を咲かせます。
垣根いっぱいに咲けば、さぞ見事な眺めでしょう。
なるみ庵
お昼から陶芸クラブの方が、梱包に使う新聞紙を持って来てくださいました。
最近は古紙回収の影響で新聞紙も品薄になっているそうです。「少ししかないけど」と分けてくださり、とても助かりました。
仕事は陶主が貝形小向付の手捻りの続き、私は秋草紋沓形深鉢の重ね盛りと菊形向付の割付です。
青もみじの絵付けもまだ残っていますが、六月の窯焚きに向けて少しずつ準備を進めています。

仕事を終え、車に乗るのに外へ出たら蛍が飛んでいました。
蛍飛ぶ
静かな余韻の
帰り道
なるみ庵
今日は静かな一日でした。
陶主は貝形小向付の手捻り、私は秋草沓形深鉢の絵付です。

仕事がのってくる夕方、小さな蛤を作りながら陶主がおもむろに
「今、分かった。没入没我、
小さな発見の繰り返しに面白さがある」と。

本当に今わかったと云うのである。これは素直に受け取っていいのか、何かその後ろに意味があるのか。
また、焼き物の形がなっていくのは一瞬であるとも。
素人さんは、この一瞬を掴めない。
ここが、玄人の技の見せどころである。
陶主は貝屋さんが出来るくらいの蛤を作る予定である。

なるみ庵
今日は先日焼けた器を取りに、堺から料理人のFさんが来られた。
高速に乗ると昼間でも一時間かからないそうです。
陶主もかなりのお話好きですが、Fさんもなかなかです。今日も楽しいお話になりました。
出汁をとる昆布は寝かすそうで、しかも湿度が高いほうが良いとか、ウナギの焼き方の秘訣など。伺っても真似できない話ばかりですが、とてもレアな話題でした。
和んできて器の話に入ります。料理人さんの実際に使って、「こういうものが欲しい」という、明確なイメージを伺うのが醍醐味です。未来の話はとても楽しい。
四時に来られて、八時まで瞬く間に時間が過ぎて行きました。
お土産に梅の甘露煮をいただきました。
梅の爽やかさと上品な甘さが記憶に残る美味しさでした。お砂糖と水だけなのだそうです。脱帽です。

治療中のO氏の快復祝いに、Fさんのお店に行くお約束をしておかえりになられた。
情報量が多いので今日はここまで、ねかせます。
なるみ庵
今日の仕事場は、昼からいつものYさんがお稽古に来られて合子(ごうす-蓋を合わせる容れ物)の土盛。
しばらくしてデザイナーさんが来られた。例の社長さんにお願いされた桜紋四寸皿のパッケージについて、また今後の伏原窯の展開についてのお話。
ひとつだけ、先方で15日にお渡しする日となっており、なんとか間に合わせるのに色々と案を出した。皆で考えた甲斐あって、箱屋さんのお力添えもいただき、無事に話はまとまった。
デザイナーさんと入れ替わりに、田植えを終えたM氏が「サンダー貸して」と藁切り機を持ってきた。仕事を終えてやって来ていることもあって上機嫌だった。
明日は楽しみにしていた、観音平の紅花山芍薬の日です。が、天気予報は厳しい。
陶主とM氏が「明日は朝から雨や」と大きな声で話している声が聞こえる。
そんなことは、知っている。
なんとか小雨で済めば良いなと思う。
なるみ庵
昨日、民謡の先生から梅をいただいた。
今年は7キロ。毎年、「もう梅の季節になったか」と思う。
大きな特Aが1キロ、小ぶり梅干用が3キロ、梅酒用が3キロ。
先生はバリバリのA型で仕分けが素晴らしい。
昼食後に陶主と梅干の作業をする予定でいたら、丁度N氏が、日曜の観音平登山の件で来られた。
猫の手も借りたい状況、手を貸していただいた。

洗った梅の水分を拭き取る作業は結構手間で、N氏のお陰で大変助かりました。
終わってからお茶をして、「また金曜日に最終判断しましょう」と言って帰られた。
残りの梅は、梅酒と梅シロップにしようと思います。因みにたぁはずっとウロウロして邪魔をしてくれました。

なるみ庵
民謡のお仲間に水間寺の寺僧をされているMさんがおられます。
この方は以前、水間で料理屋をされていたそうです。お手製のかき餅やふりかけをよくいただきますが、いずれも良い塩梅でとても美味しいです。
昨日、民謡の先生が
「Mさん、ふりかけに山椒は使うやろ」
と、山椒の実を持って来てくださいました。私も少しいただきました。

裏山の山椒も気になりましたが、今回いただいた分だけで下処理をしました。
独特の鼻を抜ける香りがたまりません。
二分茹で、水にさらしました。
糠床用にビリッと刺激を残した分は、三十分さらし、佃煮に入れる少しマイルドな刺激の方は六時間水に浸けました。
昼からK氏がT氏とやってきました。世間話から政治、文化の話と大盛り上がりでした。謡の話になり、K氏は子供の頃に母に連れられて謡を習ったそうです。
謡は、「うたうまでに段階がある」と、違いを聞かせていただきました。
段々にお能の世界に入っていくような雰囲気になりました。また薪能の炎に声が反応するのだと。息継ぎは役柄で変わるのだとか。
「幽玄の世界に入って、この世とあの世の繋がりを感じた」と、大変興味深いお話でした。
K氏は御年、八十歳。ペースメーカーを入れていると伺ってます。
ですが、場を凌駕するお声でした。
恐れいります。
なるみ庵
今日の仕事は交趾貝形小向付の重ね盛りです。

絵の具を全面に塗り、色を出すことを交趾と呼びます。
江戸時代、日本の朱印船貿易でホイアン周辺(現在のベトナム中部)に渡った商人たちが、この地を「交趾」と呼んでいました。
そこで入手され、日本へ箱ばれた色鮮やかな陶器は「交趾渡り」と呼ばれます。やがてその様式を模して日本で作られたものが、交趾焼と呼ばれるようになったそうです。
伏原窯の交趾は、ひとつずつ筆で盛っています。多いものでは5回を超えるものもあります。
少しずつ仕上がっていく様子がとても楽しい絵付です。

なるみ庵
今日の仕事場は、窯出し。

それから、発送作業でした。
陶主と二人で梱包し、箱詰めしました。
遠方まで送るので、ウレタンやプチプチ、紙段ボールを使って厳重に包みます。
待っていただいているお客様へ届く、最後の工程「梱包」は、とても重要です。
伏原窯はゆうパックにて送るのですが、集荷に来てもらうのに、最近では前日に予約をしておかないといけなくなりました。
山間だから仕方ないみたいです。
余談ですが、最近は寝てばかりの「たぁ豆皿」を作りました。

なるみ庵
仕事場は窯焚きの準備に入りました。
今回の窯には雪笹向付大と無地蓋物、もみじ紋平向が入ります。
雪笹向付の釉掛けの動画を撮ってみました。柄杓がけの音が入っています。
生地が釉薬を吸うのは一瞬ですが、焼き上がりの色の濃さをイメージしながら、釉薬をかけていきます。
一見、簡単そうにみえますが、施釉はとても難しい作業です。陶主の熟練の技を感じます。
なるみ庵
とても良いお天気の中、葛城山へ登ってきました。
九時半集合。
仕事場からN氏の車に乗り、蕎原のキャンプ場の方へ向かう。
水汲み場の前に車を停め、準備体操をして、歩き始める。
十時十五分、Aコースといわれる道を行く。
沢の隣の林道を進み、途中小さな滝がいくつもある。
十一時五分、ハシカケノ滝へ到着、
このあたりから舗装が終わり、山道になる。

橋を渡ってから50分ほど登ると、ブナの木が見えはじめる。
N氏の話では、1,800本ほど確認されていたものが、最近では7〜800本ほどに減ったらしい。
遊歩道は老朽化したものが新しくなったそうだ。
しばらくすると、龍神さんの鳥居のところへ出た。今日は山滝中学校から登山にこられていたみたいで、体操服姿の学生さんと挨拶する。
我々は石段を横目にブナ林ロードを行く。道路へ出て、龍神さんの入口の辺りで昼食にする予定でしたが、学生さんが大勢いて賑やかだったので、
ブナ林ロードの休憩スペースまで戻り、昼食をとる。
ここで見つけた、青もみじはふっくらとして可愛い形をしていた。
N氏が木のおもちゃを図書館へ寄贈しにいった際に、小さな女の子とハイタッチをしたそうなのですが、とても柔らかくて驚いたと言われたので、
私の頭で繋がり、青もみじが女の子の手に見えてきました。
ふくよかな
おさなごの手か
青もみじ

十三時三十五分に、降りていく。
下りは重力でどんどん下っていくのを制御しながら、進む。光が変わり、行きとはまた違う景色のように映る。
ふと、変わった植物を見つける。何のキノコかと思って見たら花が付いていた。後で調べると「銀竜草」と言うらしい。

途中、山の水を汲んで、
N氏の優雅な山珈琲をいただく。とても美味しかった。
十五時、ハシカケノ滝まで戻ってくる。滝には虹がかかっていた。
十五時二十分、車まで戻る。整理体操をして、帰路につく。
十六時過ぎに仕事場に到着。
陶主が、お菓子を用意してくれていました。
お抹茶を点てて、いただきました。
心配りに感謝です。N氏もとても喜ばれていました。

なるみ庵
仕事場で、数日前から朝の一筆が始まりました。
一文字、一句を書く。

陶主がずいぶん前から「やりたい」と話していたものです。
気持ち良さそうに書いておられるので、私も真似させてもらうことになりました。

仕事前に一筆。
墨をすると気持ちが静かになる。
書いたものは箱にしまい、また明日。
陶主に「文人一年生やな」
と笑われました。
仕事は、陶主が蓋物の蓋の削り。
私は笹皿小の色盛。
今日は、ほんの少し芍薬の蕾が緩む、
静かな一日でした。

なるみ庵
昨晩は、よく降りました。
けれど先週、溝の泥上げをしたおかげで、水は綺麗に流れていてほっとする。
昼から、M氏がそら豆を、
Yさんはお抹茶を持ってきてくださいました。
今日は箸置づくり。
M氏は趣味も多く、お米や野菜まで育てているのでこの時期は大忙しです。
昨日の雨で畑に入れないらしく遊びに来られました。
お三時には、皆でお茶に。
お菓子は日根野の茶房、茶和菓の練り切りです。

皆寄りて
土をコネコネ
ものつくる
ほんの束の間
時をわするる
なるみ庵
交趾笹皿の絵の具が足りなくなり、調合する。
乳鉢で小一時間ほどすると絵の具が滑らかになってくる。
そこで、ようやく完成。

陶主の修行時代、
森山焼の中村先生に言われた言葉があるそうです。
釉薬を乳鉢ですっていた時、
「すっているのではない、時間のたまりを作っているのだ」と。
とても深い言葉だと思いました。
仕事だけでなく、生き方にも通じる言葉の様に思います。
乳鉢を使うたび、いつも思い出します。
なるみ庵
朝一番に、K社の社長さまがお見えになりました。
以前、桜の尺皿をご注文いただき、
人目に触れる場へと、ご縁をいただきました。
社長さまには、この尺皿をご愛陶いただいているそうで、
秘書の方から、社長室に飾られている桜紋四寸皿とともに、折にふれて尺皿を眺めに行かれると伺いました。
今回はその桜紋の四寸皿をご注文いただきました。お世話になった方への記念のお品とのことです。
器を通じてご縁が広がっていくこと。
ありがたいことだと思っています。

なるみ庵
肌寒さのせいか、藤の花がゆっくりと残っています。
以前お伝えしました、藤が綺麗な場所の、咲き加減を毎日観察していました。
枝ぶりが変わったのか、静かな咲き加減といった感じです。

お昼は「水曜カレーの日」で、今日はポークカレーにしました。
梅酒で豚バラブロックに下味をつけてあります。サラダは塩麹ベースの人参ラペにハッサクをプラス。

スパイスカレーは食後、スッキリするところが気持ち良いです。
午後からO氏が、沢山のハッサクを手土産に遊びに来られました。
山椒の木が復活した話をしますと、O氏も好物の様で「6月やな(収穫に立ち会うよ)」と話が弾みました。
仕事は雪笹向付、笹絵付の続き。
陶主は蓋物の削り仕上げ。
青空に 高く絡みし 藤の花
どこへ姿を 消したもうたか
なるみ庵
伏原窯の冬の定番、乾山雪笹の向付です。
今日は雪を降らせました。
白い化粧土を使って、
ひとつひとつ、陶主が特注のザルを使い、
雪を降らせます。

雪は二度。
絵付前に一度、
そして描き終えた後に、もう一度。
そうすることで、器の中に、
わずかな時間の重なりが生まれます。
来週は笹の下絵付です。
なるみ庵
午後から、お客様が出来上がった品物を引き取りにお越しくださいました。
ご注文主はK社の社長さまですが、今回は秘書の方がお見えになりました。
また次のご注文についてもご相談をいただき、次回は社長さまがお見えになるそうです。器について少し話をさせていただきました。
「制作の場を訪ねる機会はなかなかありませんので、興味深いです」との言葉が印象に残りました。
以前、お納めした器について、社長さまと贈られた方とのエピソードも聞かせいただきました。
大切な方への贈り物に伏原窯の器を選んでただけたこと、あらためてありがたく感じております。

なるみ庵
桜が散り、新芽がまぶしい頃、藤の花が大きな木を覆うように咲く場所があります。
あまり知られていませんが、とても美しい景色です。
山の仕事場へ上がってくる途中にある、貝塚山手のいぶきビレッジ(旧たわわ)駐車場の脇です。

こちらは二年前の写真です。
昨年はもっと範囲を広げて咲きました。
今年は昨年より立派に咲くだろうかと、身内で噂しております。
実はここ数年、藤の花は仕事場の裏側から見える山にも、同じように木を覆って咲く姿が、いくつか見られるようなりました。
藤が蔓延るということは、山に手を入れる人が少なくなっていることのあらわれでもあります。
またある時期を過ぎると、藤は花をつけなくなることがあるそうです。これまでも、きれいに咲いていた場所が、なくなってしまったことがありました。
あと数日もすれば、花が開きはじめます。咲き出したら、またご紹介します。
昨日のお届けした筍でお料理され、伏原窯の器に盛りつけた写真を送っていただきました。

岸和田の浪切ホールで、真夏に「久遠アートフェア」を開催していました。絵画やガラス、漆器、茶釜、そして陶芸。さまざまな作家や工芸品が並ぶ展示会でした。
コロナ禍の大変な中での開催でしたが、作家さんとご縁をいただき、年一度のお客様とゆっくり言葉を交わす時間は、日頃山で仕事をしている私には新鮮でした。
会期中には何度も足を運んでくださる方、料理人の方、地元の方々。本当に沢山の方にお越しいただき、ありがたい限りでした。
その中に名古屋から新幹線で来場されたMさんがいらっしゃいました。大変な食通の方で、陶主と鮎や水茄子の話で意気投合し、器の話以上に食べものの話で大いに盛り上がりました。
陶主の甥が水茄子を作っており、料理屋さんに卸すほどの品です。それがМさんの大好物とのことで、新幹線で来てくださったその心意気へのお返しに、一度お送りすることになりました。
二年続けてアートフェアに来てくださったのですが、昨年は急遽、浪切ホールでの開催が中止となりました。水茄子をお送りするご案内の際、「もし良かったら山の仕事場へもいらっしゃいませんか」とお声がけしました。
昨年は陶主に癌が見つかり、手術、そして予後治療となかなか厳しい日々を過ごしました。秋口になり、少し落ち着いた頃に、Mさん仕事場を訪ねてくださいました。
お話を伺うと、Mさんもご病気を抱えておられ「今をしっかり楽しむこと」を大切にされているとのこと。とても深いところで通じ合うものを感じました。
ご実家では、柿やりんごを作っておられるそうで、昨年の秋に沢山送っていただきました。どちらも陶主の大好物です。病後の身体に優しい滋養を届けていただきました。
そのお返しに木積の筍を送るお約束をしておりました。
喜んでいただけたご様子、何よりです。
なるみ庵
夕方には雨が降り出し、遠くの山々に霧がかかり、幻想的な風景に様変わりしました。
私が伏原窯に入門した当初、泉佐野の有形文化財・新井邸で年に一度展示会を開いていました。
多くのお客様が来られる中、いつも丁寧にお祝儀を持って来られる紳士、Tさんがいらっしゃいました。
趣味で陶芸をされていて、陶主との話をいつも楽しまれていました。
何年かして、Tさんは「先生のクラブに入れてもらえませんか」とお願いに来られ、公民館の陶芸クラブの会員になられました。
沖縄ご出身の方で、お土産にサーターアンダギーをよく持ってきてくださいました。
Tさんは、霧のかかる山の景色を好まれ、今日のような日には、ひょっこり上がって来られたものです。
ある時、中国の山岳を巡る絶景ツアーに申し込まれたものの、ご高齢のため保険が適応されず、参加出来なかったと残念そうに話されていたのを覚えています。
最後まで、陶芸のある一人暮らしを大切にされていました。そんなTさんを私はとても尊敬していました。
亡くなられてから、もう何年も経ちますが、
こんな日は、Tさんがふらりと遊びに来られるような気がします。

なるみ庵
朝一番にO氏から連絡が入り、山蕗を採りに来られました。
私もハサミを持ってお手伝いし、世間話をしながら、十五分ほどで四掴みほどの山蕗が採れました。
しばらくすると陶主が来られ、少し話をして帰られました。
昼食後にはお客様が来られ、貝塚市の結婚お祝いチケットを持ってきてぐたさいました。

五、六年ほど参加してたかと思います。陶主と話し合いをして今期から参加を辞めたところでした。
調べてみると、昨年度の期日は今年の五月三十一日までとのこと。山まで上がって来てくださったことにありがたさを感じました。
これまで新婚の方のご縁はありませんでしたが、伏原窯では「飯碗をペアで一つ分の価格でご提供する」という形で参加していました。
今回、十草飯碗の大と小をお求めいただきました。
こうして手に取っていただけると、また再開することも考えなければと思います。
お帰りになったあと、再び車の音がしました。
本日二度目のO氏来訪です。
朝の山蕗を下処理して持って来てくださいました。
お料理のできる方で、山蕗の香りを残しつつほどよく整えられていました。
夕方からコトコト炊き、キャラブキに。
ありがとうございます。

なるみ庵
先週は雨山城趾ハイキングコースを歩き、今回は永楽ダムの東側にある2つの展望台まで登ってきました。

第一展望台から雨山の方を見ましたが、あまりよく分かりませんでした。景色はこちらの方が広く堺?の方まで見渡せましたが、遠くは霞んでいました。
下山の途中、茶色い小さな松ぼっくりのようなものを拾いました。ハンノキの実だそうです。
あと青もみじも美しく、1枚いただいてきました。
青もみじは種類がとても多く、色や形の違いが興味深く、絵付けをしていることもあって、つい目がいきます。

2時前に車に戻り、それから仕事場へ向いました。
窯出しです。
無事に焼けました。十草も落ち着いた焼けてす。交趾笹皿小はまるで型で作ったように変形もなく、見本も良好です。
十草蓋物の梱包に入ります。
