工房日記

松の図案、壺への広がり

なるみ庵

 

今日はお昼から、陶芸クラブのM氏が公民館祭に出品する作品の絵付について相談に来られました。

壺は出来上がたったそうですが、この雨でなかなか乾かず、困っておられました。

松の図案を条幅に描いて持って来てくださったのを見ますと、幅が狭いように感じたので絵付けをしたときの見え方を説明し、縦長の壺でも、奥行を出すために横に広く描くことをお薦めしました。

松図

松図壺イメージ

 

高さが60センチほどあるそうです。素焼きができたら持って来られるとのこと。

墨で良いので筆のかすれる具合や運筆を試しながら、イメージを作ってくださいとお伝えしました。

 

今日の仕事場は、窯焚きの準備に入っています。陶主に施釉してもらい、釉薬の直しです。

思いがけないお願い

なるみ庵

 

今日は写経会の日で、正法寺へ行ってきました。

写経が終わり、帰り際にご住職から「お願いしたいことがあります。少し先の話ですが、記念品作成のお願いはできますか。」とお声をかけていただきました。

陶主はりんくう病院に定期検診に行っており不在でしたので、「改めてお返事させてもらいますが、喜んでお受けすると思います」とお返事して帰りました。

仕事場に戻ると、陶主は一足早くかえられていました。先程のお話をお伝えすると、「もちろんお受けすると伝えて下さい」とのこと。早速、ご住職に連絡を入れました。

まだ決定ではないですが、良いご縁につながると嬉しいです。

今日はそれから、お返事をお待ちしていた注文が2件決まり、嬉しいことが重なる一日になりました。

公民館祭、お尻に火が付いてきました

なるみ庵

今日はお昼の陶芸クラブのTさんが、公民館祭に出品する壺の図案を持って来られました。

呉須一色で仕上げる予定にされているので、濃淡のイメージをお伝えしました。

菖蒲

花を淡く、葉を濃く、呉須の種類も変えることになりました。

公民館祭は来月なので、お尻に火が付いてきてますね。

仕事は、陶主が菊形向付の型起こし。森本は十草飯碗の呉須線ひきです。

菊形向付ー型起こし

公民館祭に向けて

なるみ庵

 

昼から、Yさんがお稽古に来られました。仁清写しの「不二の壺」の下絵付です。

2時半には、ガス屋のUさんが遊びにこられ、近況レポートを90分ほど。お話を伺っている間にも、Yさんの壺の絵付けは着々と進み、無事完成しました。

今年の公民館祭の展示はフロアを陶芸クラブだけで使えることになり、広くなった分皆さんますます力が入っています。

仕事は、陶主が宝紋猪口の削り仕上げと、青もみじ紋平向の梱包。森本は不二絵付けのお手伝いと、素焼の撥水剤かけです。

仁清写し不二図茶壺ー下絵付

残暑の工房

なるみ庵

 

山の仕事場も残暑が厳しいです。扇風機を2台、稼働してます。

今日も静かな一日でした。

仕事は、陶主がカワセミ紋沓形向付の削り仕上げ。昼から公民館陶芸クラブの指導に行かれ、16時に戻られました。19時からは夜の部の方へ出かけました。

私は青もみじ紋平向付の絵付です。あと少しです。

カワセミ紋沓形向付

蜂の巣、一件落着

なるみ庵

 

朝から、蜂の巣の件で、貝塚市の推薦業者「大阪防疫協会」のFさんに見ていただきました。とても丁寧に説明してくださり、よく分かりました。

スズメバチの巣

巣は黄スズメバチの巣で、大きさは中くらいの西瓜ほど。黄スズメバチは獰猛な種類で、危険度が高いそうです。

しかし、石垣の上の二階の軒、高い場所に位置しているため、「蜂が下に飛んで来ることはないでしょう」と教えて頂きました。

確かに、仕事場でスズメバチを見かけたことは一度もありませんでした。

駆除作業は、蜂の巣の入口から薬をいれる方法を取るそうです。今回の巣は東北の角の軒下、巣の入口は東にあります。この窓が北側にあるため、薬を入れる作業が出来ません。

Fさんは、この時期に駆除するなら「巣を落とすしかなく、それは非常に危険なので請け負えません」と言われました。

対処策として、冬になると蜂は居なくなるので、「棒などで落とすとよいでしょう」と教えて頂きました。

そして、「最近は高額をふっかける業者が横行しているので、気を付けてください」とも。

いろいろと蜂の知識を教えていただき、

勉強になりました。

 

ひとまず、一件落着です。

大川村がホットです

なるみ庵

 

伏原窯のある貝塚市大川村入口の山には、根福寺城の城跡があります。

(1543年の根来攻めによる野田山城からの改名)

城好きにはかなりレアな城趾だそうで、見学に来られた方々は、いつも意気揚々とされています。

村に入ると「殿の墓」があり、村の奥にはマタリ神、大川神社には天満宮も祀ってあります。

殿の墓

この大川神社にまつわる記録が出てきたそうで、ここ最近、大川村はその話でもちきりです。

私は行きませんが、お盆に有志で集まるそうです。

 

水の話に花が咲く

なるみ庵

 

泉大津からY氏が、ひょっこり工房を訪ねてくださいました。本業はタオル屋さんですが、波動米を作られたり、古神道を学ばれたりと、多岐にわたって活動されています。今日は、木積で波動米を育てておられる方を訪ねた帰りに立ち寄られたそうです。

吉野がお好きでよく足を運ばれるとのこと。先日、私が天川村を訪れた話をすると、話題は自然と水のことへ。大いに盛り上がり、この先さらに話が広がっていきそうな、そんな余韻を残してお帰りになりました。

仕事のほうは、陶主が貝合わせ向付の最後の一つを削り終え、その後は梱包作業。私は宝紋猪口の絵付けを進めました。

今日は、とても蒸し暑い一日でした。

宝紋猪口の絵付

伏原窯のしおり

なるみ庵

 

お昼からデザイナーOさん来訪。

水間焼伏原窯しおりの原案を持って来てくださいました。

伏原窯のしおり

元のしおりのサイズ感を残したまま四つ折りで仕上げてあります。名刺代わりにもなる優れものです。

陶主の詩をのせ、裏面には春夏秋冬の作品を配置。

伏原窯の世界観を案内する、素敵なしおりに仕上げていただきました。

 

 

土用干し

山の仕事場も30度を超すようになり、エアコンを入れました。

少し早いですが梅の土用干をしました。

ほんの少し外に出るだけで、汗が噴き出ます。

土用干

今年は赤紫蘇を頂いたので紫蘇梅にしたのですが、色ムラが大きく、例年とは少し違う表情です。毎年同じように漬けていても、少しずつ違いがあるものですね。

仕事は、陶主が貝合わせ向付の制作。森本は青もみじ紋平向の絵付です。

窯焚き前日

昼から、陶芸クラブのYさんがM氏と来訪する。M氏は陶主の作務衣を作ってくれており、採寸の為に合わせに来られた。

生地は大島。袖は少し短めで、裾はゴムを入れる予定。出来上がりが楽しみです。その後は先日作った箸置に絵付をする。

Yさんは先月からの続きの合子、形が整ってきました。

仕事場は施釉と釉薬の直しです。

明日は村の草刈りがあり、その後窯詰めの予定です。無事に進めば晩に火入れです。

施釉

普通が一番

なるみ庵

今日はお昼からデザイナーOさんとの打ち合わせでした。

伏原窯の栞がなくなってきたので新調することになっていました。

最後の1枚

昨年の一月から、Oさんに伏原窯のデザインを手掛けていただき、この一年、本当に密度の濃い時間を過ごしてきました。

今日は、改めてチーム伏原で伏原窯の流れを見つめ直し、イメージを整える打ち合わせとなりました。

 

大阪の窯元の提案について

暮らしのなかにある器

それを普通が一番という

 

Oさん曰く「ここが一番難しい、禅問答のような世界」だと。

話を積み上げ、イメージを練り、来月は二種類のリーフレットを進めることになりました。

沢山の人が関わり、少しずつ形になってきました。

六月の窯に向けて

なるみ庵

お昼から陶芸クラブの方が、梱包に使う新聞紙を持って来てくださいました。

最近は古紙回収の影響で新聞紙も品薄になっているそうです。「少ししかないけど」と分けてくださり、とても助かりました。

仕事は陶主が貝形小向付の手捻りの続き、私は秋草紋沓形深鉢の重ね盛りと菊形向付の割付です。
青もみじの絵付けもまだ残っていますが、六月の窯焚きに向けて少しずつ準備を進めています。

菊形向付の素焼

仕事を終え、車に乗るのに外へ出たら蛍が飛んでいました。

蛍飛ぶ
静かな余韻の
帰り道

今、分かった

なるみ庵

今日は静かな一日でした。

陶主は貝形小向付の手捻り、私は秋草沓形深鉢の絵付です。

秋草紋沓形深鉢

仕事がのってくる夕方、小さな蛤を作りながら陶主がおもむろに

「今、分かった。没入没我、

小さな発見の繰り返しに面白さがある」と。

貝形小向付

本当に今わかったと云うのである。これは素直に受け取っていいのか、何かその後ろに意味があるのか。

また、焼き物の形がなっていくのは一瞬であるとも。

素人さんは、この一瞬を掴めない。

ここが、玄人の技の見せどころである。

陶主は貝屋さんが出来るくらいの蛤を作る予定である。

蛤と貝形小向付

ねかせます

なるみ庵

今日は先日焼けた器を取りに、堺から料理人のFさんが来られた。

高速に乗ると昼間でも一時間かからないそうです。

陶主もかなりのお話好きですが、Fさんもなかなかです。今日も楽しいお話になりました。

出汁をとる昆布は寝かすそうで、しかも湿度が高いほうが良いとか、ウナギの焼き方の秘訣など。伺っても真似できない話ばかりですが、とてもレアな話題でした。

和んできて器の話に入ります。料理人さんの実際に使って、「こういうものが欲しい」という、明確なイメージを伺うのが醍醐味です。未来の話はとても楽しい。

四時に来られて、八時まで瞬く間に時間が過ぎて行きました。

お土産に梅の甘露煮をいただきました。

梅の爽やかさと上品な甘さが記憶に残る美味しさでした。お砂糖と水だけなのだそうです。脱帽です。

青梅の甘露煮

治療中のO氏の快復祝いに、Fさんのお店に行くお約束をしておかえりになられた。

情報量が多いので今日はここまで、ねかせます。

 

仕事場の一日

なるみ庵

今日の仕事場は、昼からいつものYさんがお稽古に来られて合子(ごうす-蓋を合わせる容れ物)の土盛。

しばらくしてデザイナーさんが来られた。例の社長さんにお願いされた桜紋四寸皿のパッケージについて、また今後の伏原窯の展開についてのお話。

ひとつだけ、先方で15日にお渡しする日となっており、なんとか間に合わせるのに色々と案を出した。皆で考えた甲斐あって、箱屋さんのお力添えもいただき、無事に話はまとまった。

デザイナーさんと入れ替わりに、田植えを終えたM氏が「サンダー貸して」と藁切り機を持ってきた。仕事を終えてやって来ていることもあって上機嫌だった。

明日は楽しみにしていた、観音平の紅花山芍薬の日です。が、天気予報は厳しい。

陶主とM氏が「明日は朝から雨や」と大きな声で話している声が聞こえる。

そんなことは、知っている。

なんとか小雨で済めば良いなと思う。

猫の手も借りたい

なるみ庵

昨日、民謡の先生から梅をいただいた。

今年は7キロ。毎年、「もう梅の季節になったか」と思う。

大きな特Aが1キロ、小ぶり梅干用が3キロ、梅酒用が3キロ。

先生はバリバリのA型で仕分けが素晴らしい。

昼食後に陶主と梅干の作業をする予定でいたら、丁度N氏が、日曜の観音平登山の件で来られた。

猫の手も借りたい状況、手を貸していただいた。

洗った梅の水分を拭き取る作業は結構手間で、N氏のお陰で大変助かりました。

終わってからお茶をして、「また金曜日に最終判断しましょう」と言って帰られた。

残りの梅は、梅酒と梅シロップにしようと思います。因みにたぁはずっとウロウロして邪魔をしてくれました。

幽玄の声

なるみ庵

 

民謡のお仲間に水間寺の寺僧をされているMさんがおられます。

この方は以前、水間で料理屋をされていたそうです。お手製のかき餅やふりかけをよくいただきますが、いずれも良い塩梅でとても美味しいです。

昨日、民謡の先生が

「Mさん、ふりかけに山椒は使うやろ」

と、山椒の実を持って来てくださいました。私も少しいただきました。

山椒の実

裏山の山椒も気になりましたが、今回いただいた分だけで下処理をしました。

独特の鼻を抜ける香りがたまりません。

二分茹で、水にさらしました。

糠床用にビリッと刺激を残した分は、三十分さらし、佃煮に入れる少しマイルドな刺激の方は六時間水に浸けました。

 

昼からK氏がT氏とやってきました。世間話から政治、文化の話と大盛り上がりでした。謡の話になり、K氏は子供の頃に母に連れられて謡を習ったそうです。

謡は、「うたうまでに段階がある」と、違いを聞かせていただきました。

段々にお能の世界に入っていくような雰囲気になりました。また薪能の炎に声が反応するのだと。息継ぎは役柄で変わるのだとか。

「幽玄の世界に入って、この世とあの世の繋がりを感じた」と、大変興味深いお話でした。

K氏は御年、八十歳。ペースメーカーを入れていると伺ってます。

ですが、場を凌駕するお声でした。

恐れいります。

 

交趾の色

なるみ庵

今日の仕事は交趾貝形小向付の重ね盛りです。

交趾貝形小向付-青

 

絵の具を全面に塗り、色を出すことを交趾と呼びます。

江戸時代、日本の朱印船貿易でホイアン周辺(現在のベトナム中部)に渡った商人たちが、この地を「交趾」と呼んでいました。

そこで入手され、日本へ箱ばれた色鮮やかな陶器は「交趾渡り」と呼ばれます。やがてその様式を模して日本で作られたものが、交趾焼と呼ばれるようになったそうです。

 

伏原窯の交趾は、ひとつずつ筆で盛っています。多いものでは5回を超えるものもあります。

少しずつ仕上がっていく様子がとても楽しい絵付です。

交趾貝形小向付-重ね盛り

最後の工程

なるみ庵

今日の仕事場は、窯出し。

2026/5/19窯出し

 

それから、発送作業でした。

陶主と二人で梱包し、箱詰めしました。

遠方まで送るので、ウレタンやプチプチ、紙段ボールを使って厳重に包みます。

待っていただいているお客様へ届く、最後の工程「梱包」は、とても重要です。

 

伏原窯はゆうパックにて送るのですが、集荷に来てもらうのに、最近では前日に予約をしておかないといけなくなりました。

山間だから仕方ないみたいです。

余談ですが、最近は寝てばかりの「たぁ豆皿」を作りました。

たぁ豆皿

雪笹向付、釉をかける

なるみ庵

仕事場は窯焚きの準備に入りました。

今回の窯には雪笹向付大と無地蓋物、もみじ紋平向が入ります。

雪笹向付の釉掛けの動画を撮ってみました。柄杓がけの音が入っています。

生地が釉薬を吸うのは一瞬ですが、焼き上がりの色の濃さをイメージしながら、釉薬をかけていきます。

一見、簡単そうにみえますが、施釉はとても難しい作業です。陶主の熟練の技を感じます。

文人一年生

なるみ庵

 

仕事場で、数日前から朝の一筆が始まりました。

一文字、一句を書く。

陶主

陶主がずいぶん前から「やりたい」と話していたものです。

気持ち良さそうに書いておられるので、私も真似させてもらうことになりました。

森本

仕事前に一筆。

墨をすると気持ちが静かになる。

書いたものは箱にしまい、また明日。

 

陶主に「文人一年生やな」

と笑われました。

 

仕事は、陶主が蓋物の蓋の削り。

私は笹皿小の色盛。

今日は、ほんの少し芍薬の蕾が緩む、

静かな一日でした。

芍薬の蕾

文人一年生

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皆寄りて

なるみ庵

昨晩は、よく降りました。

けれど先週、溝の泥上げをしたおかげで、水は綺麗に流れていてほっとする。

昼から、M氏がそら豆を、

Yさんはお抹茶を持ってきてくださいました。

今日は箸置づくり。

M氏は趣味も多く、お米や野菜まで育てているのでこの時期は大忙しです。

昨日の雨で畑に入れないらしく遊びに来られました。

 

お三時には、皆でお茶に。

お菓子は日根野の茶房、茶和菓の練り切りです。

茶和菓の練り切り

皆寄りて

土をコネコネ

ものつくる

ほんの束の間

時をわするる

時間のたまり

なるみ庵

交趾笹皿の絵の具が足りなくなり、調合する。

乳鉢で小一時間ほどすると絵の具が滑らかになってくる。

そこで、ようやく完成。

絵の具

陶主の修行時代、

森山焼の中村先生に言われた言葉があるそうです。

釉薬を乳鉢ですっていた時、

「すっているのではない、時間のたまりを作っているのだ」と。

 

とても深い言葉だと思いました。

仕事だけでなく、生き方にも通じる言葉の様に思います。

乳鉢を使うたび、いつも思い出します。

桜紋のご縁

なるみ庵

朝一番に、K社の社長さまがお見えになりました。

以前、桜の尺皿をご注文いただき、

人目に触れる場へと、ご縁をいただきました。

社長さまには、この尺皿をご愛陶いただいているそうで、

秘書の方から、社長室に飾られている桜紋四寸皿とともに、折にふれて尺皿を眺めに行かれると伺いました。

今回はその桜紋の四寸皿をご注文いただきました。お世話になった方への記念のお品とのことです。

器を通じてご縁が広がっていくこと。

ありがたいことだと思っています。

桜紋

藤の残るころ

なるみ庵

肌寒さのせいか、藤の花がゆっくりと残っています。

以前お伝えしました、藤が綺麗な場所の、咲き加減を毎日観察していました。

枝ぶりが変わったのか、静かな咲き加減といった感じです。

2026/4/25藤

 

お昼は「水曜カレーの日」で、今日はポークカレーにしました。

梅酒で豚バラブロックに下味をつけてあります。サラダは塩麹ベースの人参ラペにハッサクをプラス。

ポークカレー

スパイスカレーは食後、スッキリするところが気持ち良いです。

 

午後からO氏が、沢山のハッサクを手土産に遊びに来られました。

山椒の木が復活した話をしますと、O氏も好物の様で「6月やな(収穫に立ち会うよ)」と話が弾みました。

仕事は雪笹向付、笹絵付の続き。

陶主は蓋物の削り仕上げ。

 

青空に 高く絡みし 藤の花

どこへ姿を 消したもうたか

 

雪降る器

なるみ庵

伏原窯の冬の定番、乾山雪笹の向付です。

今日は雪を降らせました。

 

白い化粧土を使って、

ひとつひとつ、陶主が特注のザルを使い、

雪を降らせます。

雪降らし

 

雪は二度。

絵付前に一度、

そして描き終えた後に、もう一度。

 

そうすることで、器の中に、

わずかな時間の重なりが生まれます。

 

来週は笹の下絵付です。

手から手へ

なるみ庵

午後から、お客様が出来上がった品物を引き取りにお越しくださいました。
ご注文主はK社の社長さまですが、今回は秘書の方がお見えになりました。

また次のご注文についてもご相談をいただき、次回は社長さまがお見えになるそうです。器について少し話をさせていただきました。
「制作の場を訪ねる機会はなかなかありませんので、興味深いです」との言葉が印象に残りました。

以前、お納めした器について、社長さまと贈られた方とのエピソードも聞かせいただきました。

大切な方への贈り物に伏原窯の器を選んでただけたこと、あらためてありがたく感じております。

贈り物

山の藤

なるみ庵

桜が散り、新芽がまぶしい頃、藤の花が大きな木を覆うように咲く場所があります。

あまり知られていませんが、とても美しい景色です。

山の仕事場へ上がってくる途中にある、貝塚山手のいぶきビレッジ(旧たわわ)駐車場の脇です。

2024.4.25 藤

こちらは二年前の写真です。

昨年はもっと範囲を広げて咲きました。

今年は昨年より立派に咲くだろうかと、身内で噂しております。

 

実はここ数年、藤の花は仕事場の裏側から見える山にも、同じように木を覆って咲く姿が、いくつか見られるようなりました。

藤が蔓延るということは、山に手を入れる人が少なくなっていることのあらわれでもあります。

またある時期を過ぎると、藤は花をつけなくなることがあるそうです。これまでも、きれいに咲いていた場所が、なくなってしまったことがありました。

あと数日もすれば、花が開きはじめます。咲き出したら、またご紹介します。

みんなのなるみ

陶主日記

 

私は長い間、

**岡潔 先生の言われる

「情緒」**を大切に暮らしてきた。

理屈ではなく、

季節を感じ、

人と語り、

食卓を囲む。

そんな暮らしである。

その暮らしを続けてきた中で、

いつの頃からか

私はそれを

なるみ

という言葉で呼ぶようになった。

しかし、これは

特別なものではない。

日本人なら、

本来みんな

こうなるのだと思う。

もちろん、

人それぞれの

なるみである。

人それぞれの暮らしの中で

時間が熟し、

それぞれの実りがある。

これからの時代は、

そんな

みんなのなるみ

で暮らす世の中に

なっていくのではないか。

私は

そう確信している。

伏原窯は、

その小さな礎石で

ありたいと思う。