山に霧のかかる日

山に霧のかかる日

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

なるみ庵

朝は曇っていましたか、次第に雲があつくなり、夕方には雨が降り出しました。

遠くの山には霧がかかり、幻想的な風景に様変わりしました。

私が伏原窯に入門した当初、泉佐野の有形文化財・新井邸で年に一度展示会を開いていました。

多くのお客様が来られる中、いつも丁寧にお祝儀を持って来られる紳士、Tさんがいらっしゃいました。

趣味で陶芸をされていて、陶主に陶芸の話をよくきかれていました。

何年かして、Tさんは「先生のクラブに入れてもらえませんか」とお願いに来られ、公民館の陶芸クラブの会員になられました。

沖縄ご出身の方で、お土産にサーターアンダギーをよく持ってきてくださいました。

また若い頃から旅行がお好きで、スペインへ行かれた際には、闘牛士やフラメンコの絵が描かれた革の手鏡をお土産にいただいたこともあります。

Tさんは、霧のかかる山の景色を好まれ、今日のような日には、ひょっこり上がって来られたものです。

ある時、中国の山岳を巡る絶景ツアーに申し込まれたものの、ご高齢のため保険が適応されず、参加出来なかったと残念そうに話されていたのを覚えています。

 

最後まで、陶芸のある一人暮らしを大切にされていた方で、私はとても尊敬していました。

亡くなられてから、もう何年も経ちますが、

こんな日は、Tさんがふらりと遊びに来られるような気がします。

霧かかる山

この記事の関連キーワード