2009年 3月 の投稿一覧

季節を愛でる器作り

こんばんは。彼岸が過ぎて瞬く間に春が来るように思っていたのですが、ここ何日かは寒さのぶり返しで工房はストーブが放せません。桜の開花も停滞しているように思うのですが皆さんのところは如何でしょうか。散歩コースになっている落合橋に大きな山桜の木が一本有って、手に届く位の距離でいつも観察しているのですが、やはり開花が少し止まっているように感じます。春になると川の勢いも増して、川面に反射する光が眼に眩しくなって来ます。桜が風に揺れ光と交差する陰影を私は一人楽しみにしています。

工房は葵紋平向付の削りを終え、慢幕紋深向こう、格子紋深向こう、ビールカップと紅白椿紋箸置きを素焼き窯に入れました。すたっふMさんが工房に来て、深向こうの鉄絵などをする準備です。乾山陶器は生素地に直接絵付けを施すので絵付け後素焼きをします。

葵紋をアレンジしてマグカップを作っています。新しい挑戦なので興味がわきます。色々なイメージをすぐ形に出来るよう仕組みを変えている所です。「季節の器」というテーマをこれから面白く展開していきたいと考えています。器に季節を盛って楽しむというものは日本人ならではの情緒です。私たちの作る器はそのことが出来る数少ない器だと思います。その意味では使って楽しい思いで深い器をこれからも多く提供できると思っています。季節の変わるスピードに負けないよう、イメージを素早く転写できるよう頑張って参ります。


芙蓉マグ

桜に酔う

こんばんは。今日明日で三月も終わり、いよいよ四月に入って行きます。この何日かは寒い日が続き桜も思った以上に開花が遅れてきました。気温の日格差が大きいと桜は開花を促されると聞きました。この辺りでは何といっても山桜が美しく日に日に色濃くなって、美しさ可憐さに心が洗われます。こんな景色を独り占めしてしまっては申し訳ないので、皆さんお近くにお越しの際はぜひこの山桜を見に来てください。

桜は不思議な花です。これほど心に響く花も珍しい、と云って間近で愛でるような花とはまた違うようで、山々に咲く色とりどりの風光が何とも琴線に響いて参ります。さくやこの花の姫が風に舞って山々に降り立った風情は、日本の四季の中でも初々しい優雅な色気をも感じてしまいます。桜の美しさは近寄り難い高貴な世界を漂わせています。

今日の工房は京焼葵紋平向付の削り仕上げの続きです。今日で終了のつもりが雑用が入り、明日に四枚持ち越しとなりました。午前中に終えてしまいます。これで乾山陶器テスト窯の準備に入っていく予定です。

葵紋平向付 ろくろびき

こんばんは。巷はWBCで賑わっていましたが、そう云えばプロ野球も開幕間近でした。大相撲は今日朝青竜が負け白鳳の優勝が見えてきました。また甲子園では高校野球が始まっています。大相撲は大阪場所ということもあり、難波付近は何かと華やいだ雰囲気が漂っています。この20日から近鉄阪神の相互乗り入れで難波から神戸に行けるようになりました。益々関西の野球も面白くなってきます。メッツとヤンキーズを結ぶA列車に乗ってというジャズのナンバーが有りますが、日本版A列車になる日を夢見ています。しかし今年のタイガースはいい材料が出てこないまま開幕を迎えます。何とか昨年の二の前ならないよう応援をして行こうと思っています。いよいよ今年も始まったなあ、という思いです。

工房は昨日の続き葵紋平向付を挽き終えました。難しい轆轤でしたがようやくコツを取り戻して挽く事が出来ました。陶芸の秘伝の一つに水加減をどうするかということがあります。轆轤は特に水加減をやかましく云います。これは学校などでは教えない部分なので、弟子入りしてはじめて教わっていく世界です。師匠の轆轤の準備をまかされて土を練るのですが、何を挽くのか皿なのか壺なのか、それとも湯のみなのか、その作品によって水加減が変わります。また、土によっても加減が変わってしまうので、その感覚が身につくのにかなりの時間を要します。轆轤は水加減と練りがピタリと合えば難しい形でもすんなり挽くことが出来ます。心技体といいますが全てが整えば自然と形がなる様に出来ているようです。自然体ともいいシンプルともいいますが、そこまでの環境を作ることに時間を費やしているのだと思います。

日々の研鑚などといいますがそれは準備をして待つということにも通じると思います。陶芸をしているとこの待つという、準備をして待つこの姿勢に陶芸の深みを感じるのですが、如何なものでしょうか。

轆轤勘-皿と向付

こんばんは。三月も余すところ一週間になりました。瞬く間に過ぎていきます。卒業式も終わり受験発表で色々と忙しくされている親子さんも居られるでしょう。入学式まで桜が散ってしまわない様と願いますが。絵付け工房は花盛りのようで、うらやましいですねえ。ここもまた桜が散らない事を祈ります。

工房は昨日の続き、京焼葵紋平向付を作っています。皿と言わないで平向付と云っています。皿と向付の違いは色々な理屈があるのですが、ここではこの作品を平向付けで使ってもらいたいと思っているので、皿とは云わないで向付と命名しています。食器には各付けがあって鉢は向付けに使えるのですが、皿は向付けには使えないのです。また皿と向付では形状が違ってきます。皿は見込みが平らで、向付は平らな部分がなく緩やかなカーブを作っていきます。和食器を作るには細かな違いを理解していなければいけません。しかし今時はこんな古い事をいちいち考えて作っている作家もいないでしょう。またこの様な器を生かしてくれる料理人も珍しいのでしょうか、あまりお会いすることもなくなりました。まあそれはそれとして、丁寧に作り続けていくだけです。伝わるものは伝わると開き直っています。今日は轆轤の勘も戻ってきて、気分よく挽くことが出来ました。


京焼 芙蓉平鉢

京焼 葵紋平向付

こんばんは。今日はいいお天気で山桜があちらこちらで咲き始め、工房の付近は何か華やいで参りました。山桜は葉と同時に花も咲くので、葉の色合いで色々な文様に見えています。茶の濃いものや白さが目立つもの、薄い萌黄色の葉もあり優雅な世界を演出してくれます。また山桜はソメイヨシノと違って咲いている期間も長く、そして次から次に咲いてくれるので楽しみです。鶯の音がこだまし、川の流れに光が転がり落ち、風が桜を揺らしています。とうとう春がやって来ました。

工房は葵紋平向付に取り掛かりました。呉須と鉄絵で葵紋が描かれています。轆轤挽きが大変難しい作品で勘を取り戻すのに苦労しています。

葵紋は初めに生素地に鉄と呉須で描き、そのところに釘で花弁を彫って行きます。生素地に描くものですから扱いに神経を使います。柔らかなふわふわとした様子を描いていきます。乾山陶器のデザインですがうまく器にマッチすることが出来ました。自信作の一つです。


京焼 芙蓉平鉢

ビールカップの削り仕上げ

こんばんは。春分の日から三連休。今日は中日で朝から清々しい好天気に恵まれました。この付近の山々ではもう山桜が咲き出して来ました。あまり記憶にない早さに驚いています。この天気も今日だけで、明日は春の嵐がやってくるということです。南風が吹き荒れその後寒さが戻ってくるらしいです。山の暮らしはまだまだストーブが放せません。

工房は今日も仕事です。慢幕紋深向こうの削り仕上げとビールカップの仕上げをしました。ビールカップはHPで紹介していますが、今回絵替りで杜若を描いてみたいと思っています。イメージはすっかり出来上がっているので早く焼きあげて更新してみたいと思っています。また瓢箪なんかも面白くデザインしてみたいと考えています。

色々とテストの材料が揃ってきたので、来週にかけて一度耐火煉瓦窯を焚いてみたいと思います。乾山陶器、慢幕紋深向こう、など呉須や鉄絵具のテストが入ってきます。内容が濃いので期待しています。

一つの仕事を進めるのにかなりの時間が掛かります。私の場合考えを詰め込んで焼く癖があるようです。もっと手早くされる方もいるのでしょうが、自分自身が納得するのに時間がかかる様です。いつもながら不器用だと思います。これも自分の流儀なのでしょう。


京焼 ビールカップ

京焼慢幕深向付の削り仕上げ

こんばんは。今日は彼岸の中日、さわやかな日差しの一日でした。末娘の大学の卒業式でもあり、色々と人生の節目を迎えています。三月は別れの季節。出会いがあり別れがあり、どこか寂しい季節です。春の憂いとも言いますが、桜の咲く頃はどこか心が不安定になるのではないでしょうか。

工房へはすたっふMさんが、先日焼き上げた汲み出し、水仙箸置きを取りに来ました。この頃フィットネスクラブに通って、腹筋や背筋を鍛えているそうです。同じ姿勢で絵付けをしていると、どうしても身体をねじった状態で固定されてしまい、知らず知らずに負担が腰に来てしまいます。また神経を使う細かな絵付けばかりで、あまり身体には良くないと思います。私も轆轤で腰を痛め、春先になるとぎっくり腰が出てきます。昨年の4月から整骨院に通ってケアーをしていますが、やはり冬は身体も固くなっていま一つ元気になれなかったのですが。ここ何日かの暖かな陽気で身体も開いて来たのでしょうか、ずいぶん楽な感じをしています。仕事の合間にダンベルを持って、背筋などを延ばすようにしています。気力体力の減退を日々のちょっとしたケアーで筋肉をつけてなくしていけたらいいと思っています。この業界は年を重ねてからが勝負時なので、これからが心身の充実をいかにはかっていくかが仕事になってきます。すたっふMさんはまだまだ若いので色々な可能性があって面白くなってくる頃です。色々な挑戦も身体次第ですので、いいリズムで身体のケアーをしてください。

昨日から京焼慢幕深向付けの削り仕上げをしています。シンプルな形です。轆轤が生きていないと形にならない見た目より難度の高い仕事です。口もとの仕上げが作品の粋さを演出しています。面白い仕事ですが思った以上に時間のかかる作品です。


京焼 慢幕深向猪口

新作「呉須市松紋深向付」轆轤挽き

こんばんは。午後のニュースを聞いていると、関西では今日夏日を更新したということです。桜の開花も聞こえてきました。黄砂と花粉で空が霞んでいます。

工房は午後から昨日焼き上げた窯を出しました。思った様にスッキリと焼き上げることが出来て、汲み出しは手取りのいい重さになりました。素地に釉薬のいい重さが加わり、重くなく軽くもない、土の重さでない釉薬の上品な重量感が出て、汲み出しには最適な重さになりました。急いで絵付けをしましょう。桜は待ってくれそうもありません。

HPに掲載して好評でした「水仙の箸置き」がようやく焼けました。お待ちいただいているお客様も居られ、これも急いで絵付けをしたいと思います。

今日はビールカップの続きと、新作「呉須市松紋深向こう付け」を轆轤挽き致しました。深向こうですがお湯呑みに使ってもらえたらと思い、HPにも掲載したいと考えています。単純な文様に単純な形、轆轤挽きの柔らかなラインが見せどころの、力の試される作品になります。こういう作品はある程度歳を重ねないと味が出てこないものです。少し面白く挽くことが出来ました。楽しみに作って参ります。

「慢幕紋深向付」の見本

こんばんは。今日から彼岸の入りですね。すっかり春めいて今日はセーターなしでもいいくらいのいいお天気に恵まれました。先週よりブログ原稿も書けない忙しい状態が続いていましたが、今日は久しぶりに仕事に集中することができました。昨日からの窯焚きは午後2時に終わることが出来ました。枝垂れ桜紋の汲み出しをなんとか間にあわさなくてはいけません。大いに急いでいます。この陽気では後一週間もすれば花の便りが聞こえてくるでしょうね。絵付け工房も佳境に入って来たのではないでしょうか。桜、桜で満開です。

工房は「慢幕紋深向付け」の見本を轆轤挽きしました。昨年より色々な懸案があって、一つに土の成分が変わったという事がありました。一度小さなテストピースで焼き上げてみたのですが、以前の土の雰囲気から云って地味な感じを受けました。今回思い切って慢幕紋深向こうのテストに使ってみました。この作品は呉須と鉄絵の下絵で構成されています。今までの京焼きとは少し趣が違っているので、この土で合えばいいなあという思いもあります。如何なものか?やってみないと分かりません。年末にもらった耐火煉瓦の窯に、これと乾山陶器を入れて早速焼いてみようと思っています。やっとこの辺りまで、仕事を進めることが出来ました。

春になって身体も軽くなって来ました。新たな作品作りに精出して参ります。

作業風景

京焼枝垂れ桜紋汲出し 削り仕上げ

こんばんは。三月の天候は昨日の様に暖かい日やまた今日の様に寒さが戻ったような日が一進一退しながら、しかし確実に春に向かって歩んでいます。すたっふMさんの絵付け部屋は既に桜が満開の様です。桜の注文はまだまだ続くのですが、こちらの工房はやっと「京焼枝垂れ桜紋汲出し」の削り仕上げに入った段階です。今日は九個仕上げました。削り仕上げは水挽きより数倍時間がかかります。注文は二〇個なのですが作りは三三個にしました。かなり余分を作ったのですが、これが仇になるか、時間がないので心配です。一つの工程に時間がかなり掛かるので、そのところは微妙な計算がいるのでしょう。もう少しおおらかに仕事をしたいものと思っています。窮屈な仕事にストレスを感じているこの頃です。