「乾山以上に乾山」

「乾山以上に乾山」

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こんばんは。弥生三月、ようやく寒さともお別れと思っていましたが、今日のお山は冬に戻ったようで足もとからじんわりと冷え込んで来ました。工房は午後から一つ取材が入っていました。大阪JAバンクが発行する季刊誌に載るようです。先週金曜日の予定が雨で延期となり、今日となりました。天候も晴れてくれて写真もスムーズに進められたようです。大阪市内から来るとやはり山間は寒く感じるのでしょう。四時を回るとストーブ一つでは間に合わなくなりました。

取材と同時にお客様も来て下さって、バタバタと気ぜわしい一日でした。先週ようびに送った見本が帰ってきて、すたっふMさんとの打ち合わせも重なってしまいました。月替わりの第一月曜日です。今月の仕事も季節と競争になりそうです。

夕方の5時には皆さんも帰られようやく轆轤に乗ることが出来ました。乾山陶器の続き、削り仕上げです。一日いちにちと乾山の事を考えているので、自分なりに乾山を捉え出して来ました。今週には一度窯に入れたいと思っています。明日は白化粧を作って器に掛けたいと考えています。今夜は化粧のイメージを作っていきます。資料を見て感じるところを点検していきます。当時の陶工達が、いかにセンスが良かったか、研究を重ねていくとよく分かります。京都に地方から腕のいい陶工が集まって、都の洗練された文化を吸収し、かなりの自信を持っていたのでしょう。意識の違いを感じます。古清水もそうですが、この陶工の自意識の強さがあって初めて出来た陶器だと感心しています。

私が今問題にしていることは、その意識の高さに私たちも同じように反応しているか、ということです。私はこの様に思っています。「乾山以上に乾山」を作ってみようと考えているのです。乾山窯の陶工たちが感心する陶器を作ってみたいと思っているのです。

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