粘葉本和漢朗詠集を書く

粘葉本和漢朗詠集 端午

なるみ庵

和漢朗詠集は端午の項に入り、菅原道真公の漢詩です。

有時当戸苑身立 無意故園任脚行

​詩題「懸艾人(よもぎの人を懸く)」

端午の節句に、
魔除けとしてヨモギを人形(ひとがた)に結んで門戸に吊るす「艾人(がいじん)」の風習がありました。この詩は、門に掛けられた艾人の姿と、当てもなく歩く自らの姿を重ね合わせるように詠んでいます。

私には、その艾人は、都を離れた道真公自身の姿を映しているように思えます。

粘葉本和漢朗詠集 端午より

粘葉本和漢朗詠集 夏夜「其の二」

なるみ庵

粘葉本和漢朗詠集 習字のお稽古「夏夜」其の二

粘葉本和漢朗詠集ー夏夜から

 

難都乃与能布数可東須麗波本度

ゝ機数那久悲登許恵耳阿具留志乃ゝ免

 

なつのよのふすかとすればほと

ゝぎすなくひとこゑにあくるしのゝめ

 

横になったかと思えば、ホトトギスがひと声なき、空が明けてくる。

「夏の夜は短い」という歌のテーマに合わせて、のんびりした文字ではなく、一気呵成に読ませる文字に惹かれました。

粘葉本和漢朗詠集 夏夜

なるみ庵

粘葉本和漢朗詠集 習字のお稽古「夏夜」

夏夜ー和歌

白居易の二つの詩を書きました。

風吹枯木晴天雨 月照平沙夏夜霜風が古木を吹き、晴れた空なのに雨のように聞こえる。 月は砂浜を照らし、夏の夜なのに霜のように感じられる。

風生竹夜窓間臥 月照松時台上行竹を渡る風の音を聞きながら窓辺に横たわり、 月に照らされた松を眺める。

先の詩は、白居易が杭州で涼を求めて楼閣に上った時の一節だそうです。 風の音や月の光を、雨や霜にたとえた表現がとても美しく感じました。

粘葉本和漢朗詠集 首夏

粘葉本和漢朗詠集

首夏から

わがやどのかきねやはるをへだつらん

なつきにけりとみゆるうのはな

源順(したごう)

和漢朗詠集‐首夏から

咲き誇る卯の花の白さを「春と夏を分ける境界」に見立てた、季節の移り変わりを愛でる美しい歌です。

実家に、陶芸クラブのYさんからお分けいただいたウツギ(卯の花)があります。春になると愛らしい花を咲かせます。

垣根いっぱいに咲けば、さぞ見事な眺めでしょう。

粘葉本和漢朗詠集 ふたたび開く

なるみ庵

ー粘葉本和漢朗詠集を書くー

ここ最近、陶主が一字一句というのを書いている。陶主が書き終えた後、私も書く。五月三日から始めたので一月と少し経ち、気負いせずに書けるようになってきた。

随分前になるが、仮名文字を習いたくてお習字教室に通っていた頃、粘葉本和漢朗詠集に出会い購入したものの、あまりの忙しさにお習字もやめ、本も開くことなく仕舞ってあった。

粘葉本和漢朗詠集

これを出してきて、一字一句の後にお稽古を始めることにした。

以前は、書いてある漢詩や和歌の意味が分からず取り付きにくかった。今はAIや検索で、意味や読み方まで簡単に調べることができるので、とても気持ち良く書き出すことができる。

本は四季に分かれて構成されており、夏から始めることにした。

続けて書くことが目的なので、少しずつ書いていこうと思う。

和漢朗詠集ー夏「更衣」

夏「更衣」

背壁残燈経宿焔 開箱衣帯隔年香

生衣欲待家人着 宿醸当招邑老嘗

 

朝の静かな場面から始まって、最後は人を招いて賑やかに——

白居易は地方に赴任することが多く、その土地の人々と温かく交わる様子がよく詩に出てきます。「邑老を招いて」というところに、そんな人柄が感じられる一句です。