令和八年七月十八日(土曜日)晴
陶主日記
土曜の夜、川のほとりでの時間。都遷りの後半から、養和の飢饉の書き出しまでを読む。
遷都で慌ただしく移った都、衣冠の人々さえ鄙びた姿になり果て、同じ年の冬には旧都へ戻るも、こぼたれた家々はもとの様には戻らず。ここで長明、筆を止め、仁徳帝の話を差し挟む。竈の煙の乏しきを見て、税を免じた昔の御世。「今の世のありさま、これになぞらえて知るべし」の一言に、静かな苦笑い滲む。
しらすの政治、今も変わらぬと気づく。無政府に近い状態、いつも犠牲を被るのは民。都の惨状ばかり描かれるが、都は地方の年貢に支えられて成り立つ場所。畿内全体に及んだ天候不順、都はその結果を最も濃く映し出す場所にすぎぬと知る。
一字「憂」。竈の煙を見て憂えた昔の帝、遷都に振り回された都の憂え、今日繰り返した苦笑の底にある憂え、すべてここに集まる。
一句、博之より「民思う こころなしきに 風寒し」。治める者の心の在り処を、風の温度で計る句と、なるみ読む。
続き、養和の飢饉の惨状は次回へ。今日はここに留め置く。
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