なるみとよむ徒然草 第三十六段
令和八年七月九日(木曜日)快晴
午前六時十分起床
一字 通

一句
通う風 心にひびく 夏の空

陶主日記
梅雨が明けた。雲一つない快晴。昨日までの重い空気が、今朝は嘘のように澄んでいる。
今日の徒然草は第三十六段。久しく訪ねなかった男が、詫びの言葉も見つからぬまま黙り込んでいると、女の方から届くのは恨み言ではなく「仕丁やある、ひとり」という、拍子抜けするほど軽やかな一言。
この一言をめぐって、優しさとも寛容とも違う「気働き」、そしてそれを超えた「たおやかな心」という言葉が浮かんだ。恨むという選択そのものを持たない心のありよう。技巧でも我慢でもなく、ただしなやかに、次の話題へと通り抜けていく。
一字は「通」とした。気まずさを通り越し、律儀な手続きを踏まずに心と心が通じ直す、その回路そのもの。今日の快晴とも自然に響き合う字となった。
なるみのことば
風は、恨みを運ばない。
ただ、通り過ぎるだけ。
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