陶主日記 令和8年6月30日(火)晴曇り
徒然草 第二十七
静
裏庭に
積もれる落葉
夏隣
なるみのことば
第二十七段は御国譲りの段。譲位の儀式が行われ、新院の御所には参る人もなく、掃はぬ庭に花だけが散り続ける。
権力の移動という大事を前にして、兼好の眼は時間のあわれへ向かう。嘆くのではなく、移ろいゆくものをただ静かに観ている。その眼差しの静けさはどこから来るのか。
裏も表も知り尽くした上で世の外に出た人間の眼。己のあわれを舐めて暮らした暁に訪れる明るさ。兼好とはまさに思索者であり、その思索の痕跡が徒然草そのものである。
段を追うごとに兼好の人となりが見えてくる。隠遁、侘び寂び、無常観——日本の美の流れの底に、兼好の経験から発した高質な美が静かに流れている。
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