令和八年六月二十一日 夏至
徒然草 第十八段 窯元日々雑
一字
清 → 静
朝、「清」の字が浮かんだ。
夕、工房で筆を持つと「静」になっていた。
一日をかけて、一字が熟した。
一句
朝
風清く 音静かになりし 夏至迎え
夕
天宮の 風を連れ来て 夏至の暮
なるみのことば
しづか
この世に失うものはなし。
ただ己のみが去りゆく。
日記文
早朝、徒然草第十八段を読む。
兼好法師の清貧の話。
「己れをつつやかにし」——
分別の分際の良さ、と感じた。
止むに止まれぬところではなく、
風流として選ばれた隠遁。
そこが兼好の心地よさでもある。
今日の一字は「清」と決めた頃、
雨が降り出した。
土砂降りで、しかし一瞬で止んだ。
光が射した。
清めの雨、と受け取った。
手が込んでいた。
十時、大谷家を出発。
六甲の麓、天宮神社へ参拝。
夏至の日に天宮へ——
天・宮・六甲・夏至・太陽。
気になるワードが重なった一日だった。
参拝を終え、懇親会。
三時半に帰宅。
工房に入り、筆を持つ。
浮かんだのは「静」だった。
朝「清」、夕「静」。
清まって、静まった。
一日がそういう形をしていた。
天宮の風を連れ帰り、
お湯呑ひとつ、空になって、
しづかになった夏至の暮れ。
普通が一番の一日。
それが、一番贅沢な一日でもあった。
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