窯元日々雑感  令和八年六月二十四日 第二十一段

窯元日々雑感 令和八年六月二十四日 第二十一段

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窯元日々雑感

令和八年六月二十四日(水曜日)曇

一字 慰

一句

曇り空 鳥の囀り 慰むる

第二十一段を開く。

万のことは、月見るにこそ、慰むものなれ——。

曇りの朝、月は見えない。名残の月も、雲の向こうに隠れたまま。それでも、どこからか鳥の声が届いてくる。呼ばなくても、忍び来る。それがいい。

力まない。頑なにならない。いい距離感に、自然がそっと入ってくる。

こころを放つ——たったそれだけのことが、日々の課題でもある。迷いは尽きない。傾きを修整しながら、また傾く。塞翁が馬とは、よく言ったものだ。

焼物は正直なものだ。窯の火は、ごまかしを許さない。

今朝も草庵に煙が立つ。村に人影はない。曇り空の下、鳥の声だけが響いている。

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