窯元日々雑感 徒然草 第三段

窯元日々雑感 徒然草 第三段

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なるみと読む徒然草 第三段
色は匂い立ちて

令和八年十月二日(金)晴れ。
午前六時十分、目覚め。
今朝は『徒然草』第三段を読む。

第一段で描かれた、兼好の思う「よき男」。
第三段は、その続きのように始まる。

万にいみじくとも、色好まざらん男は、いとさうざうしく、玉の巵の当なき心地ぞすべき。

どれほど立派な男でも、
色を知らなければ、どこか物足りない。

ふむふむ。
読んでいるうちに、十八歳の自分が見えてきた。
青春真っ盛り。
夢を追い、人を恋い、こころを焦がす。
色は匂い立ちて。
色は、説明するものではないのでしょう。
人を好きになり、嬉しくなり、傷つき、
時にはどうにもならないこころを抱える。
その体験が、人を育ててゆく。

兼好も最後には、
ひたすらたはれたる方にはあらで
と、そっと加える。
色に溺れるのではない。
けれど、色を知らぬのも、どこか寂しい。
それもまた、人のたしなみなのでしょう。

今朝、一首。

老境の我が身を照らす若き日の
夢追うこころ眩しければ

長い歳月が過ぎました。
けれど、若き日のこころは、
消えてしまったわけではありません。
こころは、まだ痛むことがあります。
そして——
ここまで来て、まだ君を思う。
誰の胸にも、それぞれの歳月があり、
それぞれの「君」がいるのでしょう。
もう、説明はいりません。
色は匂い立ちて。
今朝は、その余韻の中で。
——なるみと読む徒然草 第三段

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