窯元日々雑感 徒然草第二十六段「惑」

窯元日々雑感 徒然草第二十六段「惑」

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陶主日記 令和八年六月二十九日(月曜日)曇り

なるみと読む徒然草 第二十六段「惑」

うらめしく

咲花散るや

きょうのかぜ

風も吹かないうちに散ってしまう、人の心という花。馴れ親しんだ年月を思えば、あはれとも、うらめしくも感じられる。兼好はここで、亡き人の別れよりもまさりてかなしき、と書いた。死別より辛い別れがある、と。

整理がつかない。答えも出ない。時間が解決するとも言えない。忘れることもできない。深い愛情が手向けられていれば、なお苦しい。それが人の恋の、あまりにも人間的な姿である。

兼好もここでは、法師の顔を脱いでいる。ただ「かなしき」と置いただけで、何も解こうとしない。解けないことを、知っていたから。

あれほど言の葉を交わし、

時に戯れた時節も、

今は垣根も荒れて、

風に震える菫のみぞ。

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