今日の一字一句
一字 脈
一句 雨しずか 川の流れの 音響
雨しづか。 川の流れの音を聴き、 身体の声を聴き、 火を入れ、 土に向かう。
急がず、 慌てず、 無理をせず。
今日の勤めを、 今日の分だけ。
関空へ旅立つ 「沓形秋草文鉢」の箱書きを整え、 十草飯碗を進め、 出会う人とのご縁を大切にする。
ストーブの火のように、 静かに、 温かく。
今日も生きています。
合掌。
第二十二段を読む
何事も、古き世のみぞ慕はしき。
今様は、無下にいやしくなりゆくめれ。
木の匠の造る器物も、言葉も、古代の姿こそ美しい——兼好はそう嘆く。
表面だけ読めば「昔はよかった」という懐古に見える。
しかし、兼好はこの段で言葉・器物・匠の仕事の三つを並べた。ただの愚痴ではなく、美の所在を静かに問うている段である。
なるみとの対話から
心の乱れは、言葉と物に表れる。
いつの世も変わらぬことを、兼好は七百年前に見ていた。
「伝統」と言えば保存するもの・守るものになってしまう。しかし私どもはそれを**「くらし」**と言わせてもらっている。
今日も続いているもの。朝に茶を点て、器を使い、言葉を交わす——その日々の営みの中に、水脈は自然に流れ込んでいる。
普通が一番・くらし・時間のたまり・なるみ
みな同じ水脈から出てきたこと葉である。
兼好が第二十二段で惜しんだのも、古き言葉や器物そのものではなく、それを当たり前に使っていた人々のくらしだったのかもしれない。
今朝の気づき
この段には脈がある。
兼好が細くなることを嘆いたその水脈が、
「くらしを育てる窯元」という営みの中で、梅雨の雨音とともに、今朝も静かに流れている。
伏原窯 陶主 記
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