土と水と、秋の空。視点を変えた陶芸観

土と水と、秋の空。視点を変えた陶芸観

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お早うございます。雲一つない秋晴れです。昨日もって帰ってきた生徒さんの作品が一気に乾くことを願っています。年々大きな作品を作るようになったので、乾きが少しでも足らないと、素焼き窯でどーーーんん!と爆発してしまいます。現に何人か急きょ作り直しという羽目になっています。10月15日に展示するのですが、最後の窯10日に入れようとすると大変強行なスケジュールになります。

何か月も掛けて作ってきた作品が、目の前にきて潰れていく。素人にとってかなりきついと思います。そんな生徒さんをなだめすかし、何とかモチベーションを回復させ、また作品に向かわせていく。生徒さんではどうしても越えられない山を、手を取って伴に超えていく。一つ一つクリアーしてまた陶芸の奥に入っていく。陶芸なかまみんなで、たのしみを味わってもらっています。今日の天気に安心して、作品を天日干ししています。

陶芸をしていると天候に敏感になります。期限の迫る作品がまだ乾かない。ストーブなど持ち出し乾かせば、底にヒビが入る。口元が切れだした。ひやひやびくびくしながら何とか乾かせたと思いきや、素焼き窯に入れしばらくすると、爆発音。一巻の終わりであります。

焼き物を「土を焼く」という視点ではなく、別の視点からとらえると、「水」をどこまで昇華させるかということに至ります。第一段階は粘土に水を含ませある程度の粘り、可塑性を持たせて造形していきます。土の性質によっていろいろと水分の吸収が変わってきます。水分を取り込みやすい土、それによって粘性も出やすい土、水をいくら含ませてもなかなか柔らかくならないで、ある瞬間飽和状態になる土。土の粒子で水を取り込みやすいのもあれが、難しいのもあるようです。

自分が造形する手段によって、その土の最大限の水を含ませる。そこから造形が始まり、どんどんその水を取り除いていく。造形が済めば徐々に乾かし、天日に干し内部に残る水分を抜きます。天日干しが一番内部に残る水分を向くことができます。時間がなくて、ドライヤーやストーブで乾かすこともあるのですが、かなり慎重にしてもリスクは高いです。土の表面が先に乾くと、中に水分が閉じ込められた状態になります。表面が乾いたと見えていても中に水分の層が残り、素焼き時にその水分が膨張し、爆発してしまいます。

天日で十分水分が取れたように見えますが、内部に相当な水分が残っています。素焼き窯に入れ、内部の水分が向けてくるのが250度から300度あたりです。この時期が一番危険な状態です。300度を過ぎると土に残された水分はある程度抜けていきます。しかしこれで水分がなくなったかといえば、まだ土を形成する結晶体に水が残っています。結晶水と呼ばれるものですが、550度から700度近くでこの結晶体が抜けるとされています。素焼きを700度から800度(磁器土はその範囲ではない)に設定するのは結晶水を十分抜くことに意味があります。

かわらけ、ビスク、素焼き、はこの状態を指しますが、これからもっと高度に水分を抜いていく作業が続いていきます。

そのことは次回にいたします。

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