乾山葵紋大鉢

乾山葵紋大鉢

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こんばんは。関西は梅雨の晴れ間で、一気に気温が上昇しました。独特の蒸し暑さがとうとうやって来ました。工房の付近はちょうど湿気の溜まり場のようになっていて、ジワーッと床下から水が湧いてきそうな季節です。熱帯夜とまではいかなくても、徐々に亜熱帯雰囲気が醸し出されています。
夜11時頃になると、ついついワールドカップにチャンネルを合わせ、いけないいけないと思いながらも日付変更緯線を超えてしまうこの頃です。それほどサッカーに興味のない私ですが、やはりワールドカップは全然違って見えてきます。熱を上げている方にはたまらなく酔いしれる二週間なのでしょうね。ガンバレ日本、なんてね。

工房は乾山陶器の見本も焼け、また注文の十草紋汲み出しや飯碗なども綺麗に仕上がりました。昨日早速工芸店様に納めてきました。その日大阪梅田は土砂降りの大雨。ごと日も重なって車の渋滞がかしこに有りました。しかし予定の4時には何とか間に合うこともできました。

乾山葵文大鉢昨年越しの乾山葵紋大鉢です。端反りを抑えるようにということと、高台を広く取るということが課題でした。形はほぼ合格をもらったのですが、葵紋のバランスに少しコメントが付きました。駄目出しとまでいかないのですが、微妙な感覚的な御話になりました。
感性の一致という奇跡的な場面はなかなか望めないのですが、それでもコツコツと資料を集め、一つひとつイメージを作り上げてきた鉢です。ほぼ出来上がったものだと自負して居ります。真木さんも時間が経つうちにどう変化があったのか、「最初と違って見えてきた。これでいいわ。これがいい。」ということになりました。万歳三唱。ははははは。

ひとつ課題を頂きました。土の色を少し濃くしようということになり、テストピースを出すことになりました。信楽の水ひ土に種赤という黄土を混ぜるのです。この割合がなかなか微妙なもので、窯によって違うのですが、私どもは少し色を浅く持っていく傾向があります。濃いとコントラストが出て輪郭もはっきりするのでしょうが、そうすると私が出したい輪郭のゆらぎが損なわれると思うのです。しかしもう少し赤土を混ぜ濃くしたほうがよさそうに思います。そうすれば先ほどの葵のバランスも整ってくると合意致しました。

何といっても焼き物は、一に土、二に土、三に土。土が目的のものに合えば、全ての事は後から付いてきます。土こしらえで全てが決まると言っても過言ではないでしょう。もうひと踏ん張りいたしましょう。

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