乾山陶器、釉薬テスト考

乾山陶器、釉薬テスト考

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こんばんは。春を呼ぶ嵐がこの何日間吹き荒れています。今年はどうも桜の開花が早いようで、この辺の山桜も色づき始めています。気が付けば来週は御彼岸、春分の日ですね。絵付け工房は桜が終わり、もう5月の青もみじに移っています。季節を追う仕事ですが追い切れないものも山ほど溜まっています。頑張らなければ。(笑)

乾山 土器皿 花

工房は乾山土器皿を作っています。昨年納めて、本年そうそうようびさんのHPで紹介しました。アップした瞬間に売り切れたそうです。数も五枚組で二組限定ということも手伝ったのでしょうか。作品としてはかなり上質に仕上がったと思っていましたが、反応の速さに驚いています。仕掛けもよかったのでしょうが、受け手の方々が敏感に対応してくれたことに喜びを感じて居ります。その追加を四組頂いています。今日はその絵付けをすたっふMさんにしてもらいました。

乾山を実際に写し始めるとその奥深さに驚き、またその魅力に取りつかれて行きます。一見素朴に見える轆轤や絵付けも全ての線に神経が行き届いていて、器の機能を十分満たしながら斬新な構図でこんなにも新しい食器を作りだしたことに改めて感心しています。

乾山陶器は初期から絵高麗をベースにしていました。今でいう北宋の磁州窯ですが、この陶器は白化粧施をベースに鉄絵具で自由奔放な雅趣あふれる絵が描かれています。乾山はこの陶器から白化粧の技法を学び、意識的に意匠に取り込んでいきました。
乾山ほど白化粧をデザインした作家は陶磁史にはなかったと思います。乾山のベースは絵画を器化することでした。絵画が器になり用を満たし、料理と一体になっていく。その絵画の基本もまた王朝復興が主題になっています。紋様も天皇ゆかりのものが多く使われています。桐と菊、また椿も多く用いられています。新しい技法を貪欲に開発していく姿を器の中から見ることが出来ます。写しながら感心することの連続です。

前回の窯に乾山陶器専用の釉薬をテストしてみました。乾山当時の窯と今我々が使用している窯は大きく違っています。一番の違いは熱効率が断然違います。もちろん今の窯は少ない燃料で素早く焼けるように出来ています。土もそのような窯に合わせて調合されています。そのような焼け方の違いを十分理解しながら古典に迫っていこうとしています。乾山の釉薬は決して難しい調合ではありません。石と灰、ただそれだけのように思われます。しかしどの灰なのか、どこの長石なのか、またその石や灰が分かったとしても、今の窯では乾山は焼けません。今の窯に合う石と灰を探さなくては焼けないんですね。

鉄絵や呉須絵が主体になっているので少しマット風な落ち着きのある釉薬を多く用いています。このマットをカオリンのアルミナからとるとカオリンマットになります。しかし乾山はそのマットではなく、灰から来るシリカ系のマットです。このマットは品が良く私も気に入っているのですが、大変微妙な調合を必要とします。私はあまり神経質な調合を好みません。大らかで簡単な調合の中から品のある釉薬を目指しています。

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