市松文湯呑

市松文湯呑

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こんばんは。週末はホタル狩りに多くの人がやってきます。昨夜公民館から帰ってくる時も闇の中から突然人が現れてきて危ない目に合いました。開放的になっているのでしょうが、少しのマナーも必要だと思います。網を持ってきてホタルを取っている人もいますが、どうでしょうか?昔ほどたくさんいないので、保護した方がいいと思うのですが。自分中心の世の中、無くなってからでは遅いのですが。このあたりの公衆道徳がこのくらいなのでしょう。自然の摂理と対照的なように感じます。

工房前の川にもホタルが飛ぶのですが、このスポットはなかなかレアな所であまり人も来ません。川の音、蛙の鳴く声が闇に充満して、霧の中にぽうっと光が点滅しています。

西洋と日本ではホタルの見方が違うと聞きました。西洋は光が灯る世界を見、日本人は消え入る光を見ると聞きました。私はこの時期の闇を堪能しています。日本人から闇の世界が消えて久しくなりました。都会の闇はうすら寒く恐怖を覚えますが、田舎の闇は匂い立つ生命の一体感を覚えます。田植えも終わり亜熱帯の様相が益々濃く、しきりにアジアを感じます。

今年は笹百合の不作年で、いつもの目ぼしいところにも全然見ることが出来ませんでした。こんなに不作は近年珍しいです。昨年は30本ほど家に活けてあったように思うのですが、寂しい限りです。少し山深いところまで足を延ばして探しに行こうと思うのですが。

工房は京焼格子紋深向こうを作っています。今日は削りを終え40個を完成することができました。単純で品格があって古来より親しまれてきた紋様です。この紋様で思い出すのは桂離宮のふすま絵です。綺羅で彩られた品格の高い文様が印象深く記憶に残っています。雅紋様の代表的な一つだと思います。この深向こうを御湯呑として使ってもらうという企画です。呉須の色合いを少し鮮やかにして、今に使える器に致しました。オシャレな感覚で使ってもらえたらと思い作りました。

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