轆轤勘-皿と向付

轆轤勘-皿と向付

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こんばんは。三月も余すところ一週間になりました。瞬く間に過ぎていきます。卒業式も終わり受験発表で色々と忙しくされている親子さんも居られるでしょう。入学式まで桜が散ってしまわない様と願いますが。絵付け工房は花盛りのようで、うらやましいですねえ。ここもまた桜が散らない事を祈ります。

工房は昨日の続き、京焼葵紋平向付を作っています。皿と言わないで平向付と云っています。皿と向付の違いは色々な理屈があるのですが、ここではこの作品を平向付けで使ってもらいたいと思っているので、皿とは云わないで向付と命名しています。食器には各付けがあって鉢は向付けに使えるのですが、皿は向付けには使えないのです。また皿と向付では形状が違ってきます。皿は見込みが平らで、向付は平らな部分がなく緩やかなカーブを作っていきます。和食器を作るには細かな違いを理解していなければいけません。しかし今時はこんな古い事をいちいち考えて作っている作家もいないでしょう。またこの様な器を生かしてくれる料理人も珍しいのでしょうか、あまりお会いすることもなくなりました。まあそれはそれとして、丁寧に作り続けていくだけです。伝わるものは伝わると開き直っています。今日は轆轤の勘も戻ってきて、気分よく挽くことが出来ました。


京焼 芙蓉平鉢

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