窯が焼き物を作ります

窯が焼き物を作ります

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こんばんは。大阪は先ほどから雨が降り出しました。北陸などでは雪になっているようですが、春間近の湿気の多い重たい雪なのでしょうね。修行期間は10年ほどありましたが最後の三年は石川県で過ごしました。山中温泉の近くの寒村で、何メートルも積もる雪の冬を体験していました。今年は暖冬と聞きますが、どの位雪が残っているのでしょうか。

工房は午後から、すたっふMさんも来て、窯の準備に取り掛かりました。十草紋飯碗、扇型箸置き、桜紋煎茶碗テストと数もそんなに多くないのですが、十草紋のお茶碗は釉薬掛けに大変神経を尖らします。釉薬の厚みが微妙な感覚なので失敗すると台無しになってしまいます。もともとこの京焼きは普通の焼き物に比べて釉薬の厚みが薄掛けになっています。青磁の釉薬はかなり厚く掛けていくのですが、それとは別にしても京焼きは「水薬」とも言われるくらい薄く掛けていきます。それ故釉薬に対する水加減が微妙で、多い少ないで貫入の入り方も大きく影響してきます。私たちの京焼きはかなり薄作りなので、水回りの加減も計算しなければなりません。また釉薬の掛けた後の処理も重要で、普通の焼き物は釉溜まりを意識して掛けるのですが、この焼き物はそれを嫌います。均一に掛けることが重要になるので、釉溜まりは竹へらなどを使い綺麗に処理していきます。この様に手間仕事が多く有るので、数が少なくても時間が掛かってしまいます。一日掛けても窯づめにはいかず、明日に回すことになりました。明日の夜から火をつける段取りにしました。

今回の窯には乾山陶器のテストは入りません。乾山陶器は窯を変えて焼く予定です。昨年暮れに、無理を言って運んでもらった耐火煉瓦の窯で焼きます。乾山陶器は極端な事を云えば彩色土器に近いと思っています。高火度で焼かれた作品もせいぜい1200度までで焼かれているようです。乾山は絵が主流なので、高温で焼けて絵に雅味のない作品より、どちらかと云えば焼けが甘くても画に調子のいいセンスがあればそれが最高の焼きと思っています。その様な陶器なので土自体の焼け方が問題になって来ます。今私たちが作る京焼きはどちらかと云えば表面が美しく焼けなければならないのに対して、乾山陶器は焼きと絵の調子が一致してはじめて作品になっていく様です。しかし現代に焼きの甘い食器は通用しません。いくら雅味があるといっても、普段使うのに不便をきたすものは使ってもらえません。素地がある程度焼きしまって、尚且つ絵に雅味が残っている、そんな陶器をどうすれば焼けるのか。

それで私は窯を変えてみたいと思いました。そんなこんな事を色々と思索をしながら進めていきます。

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