京焼十草飯碗が焼けました

京焼十草飯碗が焼けました

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こんばんは。今週で二月もおしまいです。瞬く間に三月の声が聞こえてきました。夜になるとお雛様のぼんぼりに火が入り、静かに春を待っています。隣の桃の木が深いピンク色に染まって来ました。後一週間二月に納める仕事に精を出して参ります。

京焼 十草飯椀

京焼十草飯碗が焼けました。温度を下げて焼いたのですが、口もとの呉須の流れは治まらなかったようです。自然な感じで問題はないと思っています。今後の課題としておきましょう。釉薬や下絵の具をいじると全体のバランスが崩れるので、そんな事はやる気はないのです。一度新しい形に十草を描いて釉薬や下絵の具のテストをしてみるのも案かも知れません。出来上がった作品に手を加えると、かえっておかしくなりマイナススパイラルにはまるのが常ですから。

工房は水仙の箸置きの削り仕上げをしました。細かな部分にも丁寧に気遣いしながら作っていくのは面白いです。気持ちが自然と入っていくのが楽しいです。使ってくださる方と心の交流が生まれてくると、一つのヘラ使いにももう一つ、もうひとつとついつい手間を掛けてしまいます。釉薬が掛かるとほとんど分からない線でも、こだわってみたくなります。このこだわりが何を生み出すのか、面白く興味のある所です。作品の厚みとは、そんな色んな気遣いのこだわりの層だと思っています。小さなこんな箸置きにも使われる方の生活の風景が見えて、大切に扱われて行く事を思うと、手間を入れたくなって来ます。

食器は結局使われる方が作っていくのですね。厳しい要望があればある程、作り手も育って行くのです。このご時世有難いことだと感謝いたして居ります。

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