令和八年六月十日(水曜日)晴

令和八年六月十日(水曜日)晴

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令和八年六月十日(水曜日)晴

今日は梅雨の晴れ間でした。

朝、支度を整え、zazenの後、仕事場で一字「聴」を書きました。梅雨の声を聴く——そんな気持ちで筆を執りました。

梅雨の声 光きらめく 夏隣

徒然草の第七段を読みました。あだし野の露、鳥辺山の煙——兼好はそんな無常の景色から書き始めます。世が無常であるからこそ、しみじみとすばらしい。そう言っています。

世は定めなきこそいみじけれ。

この九文字が、今日一日、心の中に静かに響いていました。

窯の火も定まりません。同じ土、同じ釉薬、同じ温度のつもりでも、二つとして同じものは出来ない。それを長年、不思議に思いながら、面白くも思ってきました。定まらないから、あきない。

無常の儚さこそ永遠に影。写し身こそ哀れなりけれ。

しきしまの大和心——散ることを知り、今盛りと桜咲く。そしてかろみとなって、今を生きる。それが伏原窯の表現したい、日本の水脈だと思っています。

夜、工房で飯碗を一碗仕上げました。梅雨晴れの一日でした。

伏原窯 陶主 博之

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