2010年 6月 の投稿一覧

蒸しかえる暑さの中で

こんばんは。南風が強く吹いて湿気が最高潮に達しています。まるでプールで泳いでいる感覚でいます。台所では蟻が一列、また一列とお鍋に行列を作っています。何とも(笑)梅雨の風景ですね。山暮らしはこんなことでいちいち気にしているとやっていけません。

最近やっとイタチの侵入に終止符が打てそうです。突然の話ですが、このイタチ野郎だけは何とも手ごわいですよ。明日から孫がやってくると云うので、イタチ野郎には気をつけないと赤ン坊までかじるということです。この格闘はかれこれ二ヶ月くらい続いていて、そこら中の穴という穴は塞いだのですが、本当に「イタチごっこ」というように、次から次に別の侵入路を見つけては入って来ます。それにイタチの最後っ屁、臭いのなんのって、なかなか匂いが取れません。もうイタチと格闘するのにほとほと疲れました。
しかし最近やっと屋根裏の隙間をひとつ発見できました。ここがきっと最後の経路と思われました。痛恨の見落とし。早速梯子をかけ板で隙間を塞いでみました。結果この二日ほどは侵入していませんが、安心していいのやら、まだまだ戦いが続くのやら。何とも言えません。私たちの仕事もイタチのように色々な可能性に挑戦していきたいと前向きに評価したいのですが。何とも腹立たしい限りです。

巷はワールドカップに参院選挙。どちらも明日の日本は分からない。なんて、謎かけしても始まりませんが。こんな大事な局面に誰に投票したらいいのか、何とも選択肢のない先行き不安な選挙になっています。といってもまだもう少し時間があるので、じっくり各立候補者を見ていきたいと思うのですが。批判するのは簡単なのですが、どこにこの選挙の本質があるのか、何故性急に消費税を国会の議論以前に選挙のテーマにし始めたのか。色々な思惑が交差して、何とも判りづらい選挙になっています。民主党の内部でのダブル選挙になっているのも、判りづらい要因だと思うのですが。はたして過半数を管政権に与えていいのか、政界再編成に持ちこませたほうがいいのか?世界の難局にしっかりした政権を立てるほうが日本の国益にとっていいのか?難しい選択を私たちは迎えています。どちらにしても苦しいですね。

今日の仕事場は千客万来で、次から次に人がやって来ました。人がやってきた分色々な情報も入ってきて、私たちの仕事にとっていいことなのか、はたまた厄介なことなのか?こちらも何とも云い難いことだらけです。デフレ社会が定着して、国内で物がなかなか売れません。そうですね、今は物を売る時代ではないのでしょう。では一体何を売り、何を買うのでしょうか。
少し面白くなってきました。色々やってみたいと思います。

蒸しかえる暑さの中で

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慌ただしい一週間

こんばんは。慌ただしく一週間が過ぎてしまいました。品物を納めにようびさんに行ったのが先週の火曜日。その日電話注文で紫陽花の角皿が売れ、それに合う桐箱がほしいということで、ようびに出発間際バタバタしながら寸法を取ると、案の定それが間違っていて、最速して作った箱がオジャン。またまた作り直してもらい、金曜日クラブから帰って、墨を磨りこころ落着かせ箱書きをしました。19日土曜日に会社のパーティーがあってそこでお渡しするということでした。なんとか間に合わせることができたのですが、先週は全てにチグハグが付いて回りました。

日曜日、甥の結婚式で京都に出かけました。雨の京都は車がいっぱいで、三条辺りから渋滞で東大路はなかなか進まない状態でした。最近の結婚式は、神前でもなく、アーメンでもなく、仏前でもなくて、人前式という形式が流行りだそうです。親族一同の前でみんなに承認してもらうということのようです。いいと思いました。色々な価値観を持っている方々も参加しやすい形式のように思いました。結婚式もこの様になって来たのだから、葬式もまた変わっていくといいのにと思うのですが。江戸封建社会の檀家制度が、葬式を独占しているように思います。地獄、極楽を作ってあの世の引導を渡すという事も、時代にそぐわなくなっているようにも思うのですがね。ついでに言っておいきますが、「悟り」なんて誰が発明したのでしょうか。仏と凡夫に分けて「浄土」往生、そろそろ其処も私たちは卒業としましょうよ。もう宗教の時代ではないでしょ。

そんなこんなを考えながら、若者が作る「結婚式」に参加し、シャンパンに酔いながらもしっかりフレンチを楽しんで参りました。80歳を超えた父を連れていくのは大変でしたが、人生の半ばを過ぎ、往く世界、またやって来る世界が同時に見え、人間って何、生きていくって何、としきりに考えてしまいました。

この二三年ですっかり世界が変わってしまいました。以前の価値観が全くと言っていいほど通用しなくなりました。ただ言えることは、ある意識を持って生活しなければ人や社会との繋がりもなくなってしまうと思うようになりました。テレビで無縁社会というテーマの番組がありました。不気味なタイトルだな、と思いながらも案外普通と見える生活の中に大きな穴が開いているのだと思うようになりました。

個人が意識を持って社会と繋がりを持つことは、その個人が社会に対して何をするのかをはっきりさせなければいけなくなってきました。なかなかそのことはハードな事だと思うのですが、しかし時代がそのことを個人に迫っているように思うこの頃です。
工房は磁器の仕事にかかり出しました。

慌ただしい一週間

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乾山葵紋大鉢

こんばんは。関西は梅雨の晴れ間で、一気に気温が上昇しました。独特の蒸し暑さがとうとうやって来ました。工房の付近はちょうど湿気の溜まり場のようになっていて、ジワーッと床下から水が湧いてきそうな季節です。熱帯夜とまではいかなくても、徐々に亜熱帯雰囲気が醸し出されています。
夜11時頃になると、ついついワールドカップにチャンネルを合わせ、いけないいけないと思いながらも日付変更緯線を超えてしまうこの頃です。それほどサッカーに興味のない私ですが、やはりワールドカップは全然違って見えてきます。熱を上げている方にはたまらなく酔いしれる二週間なのでしょうね。ガンバレ日本、なんてね。

工房は乾山陶器の見本も焼け、また注文の十草紋汲み出しや飯碗なども綺麗に仕上がりました。昨日早速工芸店様に納めてきました。その日大阪梅田は土砂降りの大雨。ごと日も重なって車の渋滞がかしこに有りました。しかし予定の4時には何とか間に合うこともできました。

乾山葵文大鉢昨年越しの乾山葵紋大鉢です。端反りを抑えるようにということと、高台を広く取るということが課題でした。形はほぼ合格をもらったのですが、葵紋のバランスに少しコメントが付きました。駄目出しとまでいかないのですが、微妙な感覚的な御話になりました。
感性の一致という奇跡的な場面はなかなか望めないのですが、それでもコツコツと資料を集め、一つひとつイメージを作り上げてきた鉢です。ほぼ出来上がったものだと自負して居ります。真木さんも時間が経つうちにどう変化があったのか、「最初と違って見えてきた。これでいいわ。これがいい。」ということになりました。万歳三唱。ははははは。

ひとつ課題を頂きました。土の色を少し濃くしようということになり、テストピースを出すことになりました。信楽の水ひ土に種赤という黄土を混ぜるのです。この割合がなかなか微妙なもので、窯によって違うのですが、私どもは少し色を浅く持っていく傾向があります。濃いとコントラストが出て輪郭もはっきりするのでしょうが、そうすると私が出したい輪郭のゆらぎが損なわれると思うのです。しかしもう少し赤土を混ぜ濃くしたほうがよさそうに思います。そうすれば先ほどの葵のバランスも整ってくると合意致しました。

何といっても焼き物は、一に土、二に土、三に土。土が目的のものに合えば、全ての事は後から付いてきます。土こしらえで全てが決まると言っても過言ではないでしょう。もうひと踏ん張りいたしましょう。

十草紋大汲みだし、十草紋飯碗の窯詰め

こんばんは。初夏の清々しい御天気も明日限りの様です。日曜日から本格的に梅雨入りの模様です。家周りの草刈や戸湯掃除をしておかなくてはと思っています。蜜蜂の箱も雨対策をしておかなくてはなりません。南風にあおられて、雨が箱に入らないようにトタンで壁を作って置きました。蜂たちは今日もかいがいしく朝から蜜を集めに飛び立っていきます。梅雨なると活動がしにくくなりますね。どの様な状態になるのか観察したいと思います。

今夜はこの付近に蛍狩りをしに来る人たちで賑わっています。まだ早いと思うのですが、子供つれでタモまで持って来ています。昔、石川県の山中温泉よりまだ山に入ったところに住んで居たときのことです。この季節になると川の付近で無数の蛍が飛び交い始めるのです。周囲は鼻をつままれても分からないくらい真っ暗で、ただ川の音が聞こえるばかりの道を行くと、あるところに来るとなんとこの世とは思えないくらいの蛍の群れが、突然現れてきました。初めての光景で、家内と二人で言葉を失ってしまいました。

この季節、蛍に笹百合。定番ですね。山暮らしをしていて何とも嬉しいのが、この笹百合を探すことです。年々数が減って、私が大事にしている秘密の花園もめっきり少なくなってきました。今年人に頼まれたので、少し早めに山に入ってみたのですが、何とか数本確保できたくらいです。この百合を家内にあげると、とてもいい顔をされるので、こちらも嬉しくなってひとつ、またひとつと探しに行きたくなります。家中が何十本と百合だらけになって、何とも高貴な香りに包まれてしまいます。梅雨の湿った空気と官能的な百合の香りが、この季節の醍醐味になっています。

工房は十草紋大汲みだし、十草紋飯碗、乾山陶器見本の窯詰めです。すたっふMさんが昨日の釉掛けの手直しをしてくれたので、難なく窯詰めは終了。午後6時半、点火。明日朝まであぶり焼きをしていきます。

喝!

こんばんは。梅雨入り前の今日は穏やかな一日でした。竹の若葉が風に優しく揺らぎ、工房から見える景色にふと身も心も解放されていきました。身体に何もストレスのない一日って有りますね。大気と身体のペーハーが同一状態って、そんな感じかたをしているのですが。自然と融け合っているのですね。こんな日は、一瞬このまま死ねたらいいのに、なんて思ってしまいます。年のせいなのかな?静かにこのまま幸せを思い、なんてね。
心が定まらないからです。ふわふわしているのもいいのでしょうが。

今日の工房はどうもピントが狂っています。あほな事言ってる場合じゃないですよ。本日窯入れする作品の釉薬を間違えて掛けるという、何とも有りえない大失敗をしでかしてしまいました。オーダーの磁器七寸皿や蕎麦猪口諸々、、、。何を狂っていたのでしょう。疲れとか何やかや、、、とか、色々重なっているのでしょうが。ううううんんんん、、。初めてです。釉薬を間違えるなんて。心を切り替えようと必死ですが。

仕事を入れすぎているのでしょうが。もう一度自分を取り戻して、強い気持ちでやり直していきます。
早速乾山陶器に仕事を切り替え、今夜は見本の素焼きを始めました。午後11時半。素焼き窯終了の予定です。

喝!

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乾山葵紋大鉢はこれで

こんばんは。6月に入って気持ちのいいお天気が続きます。天気予報を見ていると日本列島がすっぽり高気圧に覆われていて、当分はこの様な穏やかな気候が続きそうです。私は梅雨に入るこの10日ほどの天候が一番好きな気候です。昔子供たちがまだ幼かった頃、よくこの時期の真夏日を狙って海に出かけて行きました。もちろん海岸に人気はなく、私たち家族だけが海水着を着ていち早く夏を満喫していました。今でも目を閉じればこの時期、山間の工房にいても当時の潮騒が聞こえてきます。赤貝やサザエと採ってきて、囲炉裏で炭をおこし食べたことが目に浮かびます。色々な思い出の詰まった季節です。

工房は土練機の掃除と磁器土の再生をしました。磁器土は教室で使うということで、生徒さんにも手伝ってもらうことにしました。真空土練機用のオイルがなくなったので、出光のガソリンスタンドで直接注文して買うことにしました。いつもは土練機の業者に頼んで2リットル缶を送ってもらうのですが、大変割高になってしまいます。業者から直接仕入れたほうがが安いと言われたので、近くの出光ガソリンスタンドを早速ネットで探してみました。出光GSくらい貝塚に有ると思っていましたがそれが一軒も無く、結局堺まで行くことになりました。土練機のオイルは思った以上によく使うので、20リットル缶一つあればかなり小まめにオイル交換する事が出来ます。まあこれで10年はもつでしょうか。ははははは。

乾山葵文大鉢

五時になったので生徒さんは帰り、明日に土練は持ち越しになりました。私は乾山陶器見本の削り仕上げに戻りました。今日は何回も駄目だしをもらっている、葵紋大鉢の削りです。先日このブログで紹介したように、自分の思っていた形と大きく違っていて、それじゃあ何べん作ったってアカンはずですわ。私が今まで思っていた鉢のイメージと大きく違っていました。今回でようやく形を出すことができそうです。大阪市立図書館まで資料を借りに行った成果があったと思います。この資料のお陰で色々な発見がありました。今後乾山陶器のイメージを作るのに大いに助かります。

今週も色々な仕事が入り組んでややこしいですが、来週月曜日には窯を焚きたいと思っています。お天気が続きそうなので乾山陶器見本を削り終え、早く白化粧を掛け乾かしたいと思っています。