河合寛次郎先生の詩 「仕事」

河合寛次郎先生の詩 「仕事」

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こんばんは。今年もいよいよ暮れて行きます。余すところ後二日。今日は午後から終い窯の窯出しでした。一時に皆さんが集まられ、作品を取り出しました。上々の焼き上がりで、笑顔を持って感謝されていました。これで今年の工房での仕事は、終わりました。本年も有難うございました。色々な宿題が有りますが、楽しみな仕事にして行きたいと思っています。仕事という言葉で、ふっと思い出したので、ここで紹介いたしましょう。

呉須辰砂丸文草花図角瓶 民芸運動の代表的作家、河合寛次郎先生の詩です。

仕事

仕事が仕事をしています  仕事は毎日元気です 
出来ないことのない仕事  どんな事でも仕事はします
いやな事でも選んでします 進む事しか知らない仕事
びっくりする程力出す    知らない事のない仕事
聞けば何でも教えます   頼めば何でもはたします
仕事の一番すきなのは   苦しむ事がすきなのだ
苦しい事は仕事にまかせ  さあさ吾等は楽しみましょう

またこんな詩も有ります。

美を追わない仕事 仕事の後から追って来る美

京都五条に居を構え、大きな登り窯でユニークな作品を数多く作られた先生は、多くの後継者に多大な影響を与えました。特に釉薬を自在に使って、今までにない傑作を多く生み出しました。

この詩は力強く、またどこかおおらかなユーモアに溢れています。この頃の世の中はちまちましたことが多く、些細な事で人生を棒に振るような出来事をよく耳に致します。魂にごつっと響くような、そんな仕事で有りたいと望みます。

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