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陶主日記

めし碗雑記8

 

還元焼成を説明するのですが、

一般に窯焚きをして温度を上げていくと、火前は還元状態になり、

煙道部の火が逃げていく辺りは酸化状態になっています。

 

私はよくろうそくの炎で説明するのですが、

炎には青色の部分、黄色の部分、赤色の部分があり、

順に還元炎、中性炎、一番外側で空気酸素に触れている部分は酸化炎と区別されています。

直炎式の窯はこの炎を横に倒した状態だと思えば、理解してもらえると思います。

 

この還元炎を意識的に利用し焼き上げていく方法が、還元焼成といいます。

 

この方法では、窯がある温度帯になった時に炉圧を上げる様にして

還元炎を窯一杯にして焼き上げます。

 

煙突から黒い煙がもくもく出て、時には炎まで出る様な状態で焼き上げていきます。

昔の窯業地によくあった風景です。

 

 

2017.5.26

 

 

 

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めし碗雑記7

 

窯焚き

 

焼き物は窯焼きによって成立している。

当たり前の事ですが窯の種類が色々有る様に焚き方も人それぞれです。

 

と云っても大きく分けて酸化焼成、還元焼成と二つに分類して、その焼き物の性質を見分けるのが今の方法です。

炉内に酸素を入れて焼き上げるのが酸化焼成、また酸素を少なくし炉圧をかけていくのが還元焼成。

その中間が中性焼成と云われています。同じ土、同じ釉を施した品物でも、

違った焼き方では全く性質の変わった物として窯から出てきます。

 

単純に分ける事は出来ませんが、青磁や磁器などは還元焼成で焼きます。

また絵高麗、磁州窯系の焼き物、日本では織部、黄瀬戸、天目などは酸化焼成です。

 

 

2017.5.24

 

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めし碗雑記6

 

陶土が決まれば、次に窯の事を考えます。

今頃の窯は電気窯やガス窯などが主流ですが、

作家さんなどは薪を使う古風な焼き物を作る人も少なくはありません。

 

また一昔前の窯材と今の材料でも大きな違いがあり、耐火煉瓦の違いひとつで同じ陶土、

釉を使っていても全く違った焼き物が産まれると云う具合です。

 

私共の工房には大小合わせて5つの窯が有ります。

今回使用する窯は灯油窯、直炎式で耐火煉瓦使用、内寸法30センチ35センチの棚板1枚分の誠に小さな窯です。

火前、火裏、天、地の窯の変化は結構大きく出てきます。その窯をあえて選び、商品化していこうとしています。

陶土の性質を焼き込みながら内から出してくるには、どうしても昔の耐火煉瓦が必要と考えました。

 

灯油にこだわっているのにも意味が有ります。

ガス窯の1番の欠点はガスの炎に硫化ガスが含まれることで、釉薬にこのガスが当たる事であまりいい効果が産まれません。

ガス窯の釉調がどうしても人に冷たく感じさせるのはこの為で、薪の炎のような人温かい釉調を作るには私は今では灯油が一番手頃で扱い易いと考えています。

 

 

2017.5.19

 

 

 

 

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水間焼の昔の器です。

あもや南春日さんの揚げまんじゅうと一緒に。

 

 

 

めし碗雑記5

 

陶土に出会う、

その人の縁として、土に出会う。

 

陶土には色々な性質が備わっているがその素材を活かす事に専念することにする。

陶土はまた、自らのイメージを持っている。

そのイメージを活かす工夫が、陶土たらしめる。

 

昔の陶工は、或は土を求めて住居を移動させたものである。

近頃はそのような事はしないが、陶工が土を手にする出会いの本質は変わらない。

 

今回私は6種類の陶土を用意しました。精製された土、山から掘り出したような顔をした土、調合された土など。

 

イメージは自然の風景が匂う器、野生感のある土味が器に形作られているというコンセプト。

若い人達の日常に入っていける器という事で焼いてみたいと考えています。

 

土の質によってデザインも変わる。窯は灯油窯、還元焼成。

大変小さな窯なのでひとつの窯の中で場所によって炎の届き方が変わり、その違いも個性として取り入れられるような、土味の効いた器を目指していきたいと思っています。

 

 

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2017.5.16

 

 

 

めし碗雑記4

 

陶土との出会い

 

土選びをする。

焼き物屋が土と云う場合、いわゆる陶土の事です。

陶土とは、焼き物に適した性質を備えているという事です。

自然の土は色々な性質を持っていますが、その中で焼き物に適した土は粘性、耐火性の2つの重要な要素を必要とします。

私達が自分達の想う焼き物を創造したいと考える時、最初に陶土の選択が必要になります。

ああいう器を作りたい、こういう器にしていくにはそれを表現するに値する陶土に出会わなければ事は始まりません。

 

2017.5.12

 

 

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めし碗雑記3

 

裏山から梟の鳴く声が聞こえる。ホッホ ホッホ。二拍置いてホッホ。

若い雄の様だ。少し高い声で、若々しく力強い。仕事を終え外に出るのが楽しみ。今日も聞こえる。春の求愛だろう。

五月になれば樫、クヌギ、シイなどいわゆる照葉樹林の多い山々に囲まれているので、あの独特の匂いが漂う。

新しい焼き物、器を創ろうと思っている。若者向けの食器を作る。スタッフと話し込みながら、土選び、窯選びをして次の世代に繋がる仕事をしようと考えている。

 

2017.5.9

 

 

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めし碗雑記2

 

引き続き、「御飯茶碗孝」ですが、私が未だ修業時代  学生だった頃によく

めし碗の原形は井戸茶碗と云われ、めし碗も茶碗を作るように、作りなさいと助言されました。

なるほど、あの大井戸茶碗は朝鮮のめし碗か!とうなづいた思いですが、今は大いに疑問を持っています。

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まぁ、それはともかく井戸茶碗を含め高麗茶碗には多くの勉強するロクロ技があります。先ずご飯茶碗は、

飯を盛り、手に持ち、箸を入れ、また茶碗に口を触れさせるなど、身体を接触する場面の多い器です。

それ故、機能的に制約が多くあり、又その人々の好みがあらゆる場面で反映される何々気むずかしい器です。

私にとっては職人として最も作るに値する器であり、また多くの人に愛されるめし碗を作る事に誇りを感じるものです。

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2017.5.5

 

 

めし碗雑記1

 

「ごはん茶碗を作る。」 

食器を作る者としては、一番大事な仕事です。

毎日、三度三度、昔はごはん茶碗に飯を盛って食べていました。

 

今は少し事情は変わってきましたが、用途としては、最も手の馴染みにうるさい器です。

それではいったい、日本人が器に飯を盛って食べだしたのは、どのくらい前でしょうか。

 

テレビや映画などで江戸初期の庶民の食事風景が出て来ますが、

「いやいや!その頃はその器、焼けてないでしょう」とツッコミを入れてしまうのも、

一種の職業病でしょうか。

 

この度飯碗をシリーズで数量限定で提供していくにあたり、密かに自分自身に対して「ザ めし碗」とタイトルを入れて初心に帰り勢い込んでいます。

最初のごはん茶碗は、今までの人気乾山図シリーズを飯碗に写してみました。

日々お使いになる器ですので、手取りの軽さ、又高級感に気を遣って作陶して居ります。

一汁一菜、めし碗ひとつとお椀、最高の贅沢

 

2017.5.2 (火)

 

 

 

 

 

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陶主 伏原博之

(蓋物の水引きの様子)

四方小皿の水挽き

四方小皿の水挽き

色絵四方小皿の水挽きです。ようびさんの注文分が少し足りないので作り足しています。かれこれ十年近くに成りますがロングセラーの小皿です。沢山作り置きしているつもりでも、気がつけば足らない状態で、嬉しい限りです。

小振りながらも色々と手間の掛かる仕掛けが有って、それも魅力の一つなのでしょうね。このような仕事こそ大事にし、長く作っていきたいものです。
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色絵山吹小皿の制作を始めます。

色絵山吹小皿の制作を始めます。
 


藤紋四方小皿の絵付けが終わったので、山吹小皿の型起こしを始めました。四方小皿もそうですが、この小皿もまた十二月シリーズもので、私どもがデザインし企画したものです。1月宝尽くし、2月水仙、3月花筏、4月山吹、、、。まだまだ続いていきます。デザイン、型作りをしながら進めていきますが、シリーズが完成すれば楽しみな器達ができあがることでしょう。